嫁の友達にセックスチャンスを期待するクズ男

新婚の夫が狙う「嫁の友達」

大泉りか 官能小説 人妻は不倫の夢を見るか Courtney Carmody

数年前の話だ。女友達の結婚式に参加した。新郎とはその場で初めて出会ったのだが、しかし、「おめでとうございます」という祝福の言葉くらいしか、会話はしなかったと記憶をしている。
ところが後日、その旦那からわたしのSNSにメッセージが届いた。

「お願いしたい仕事があるので、会って打ち合わせしたい」

という内容だった。

ペンネームを知られていることに少し驚いたけれど、友達の旦那様ならば身元は知れている。「ありがとうございます、いつにしましょうか」とメールを返して日程を調整した。
しかし、その晩にキャンセルの連絡が入った。「嫁が、りかちゃんに会うのに嫉妬している」と理由が書かれていた。

なぜ仕事の打ち合わせで会うのに、嫉妬をされないといけないのかと不思議に思ったと同時に「りかちゃん」という呼び方に違和感を覚えた。これから先、仕事をしようという相手に使う呼び方じゃない。

会って打ち合わせが出来ないということで、メールで仕事の内容が来た。が、ちょっと見当はずれのオファーだったので断った。すると今度は

「今度一緒にドライブ連れていってあげたいな」

と返ってきた。は?ドライブ?ちょっと意味がわからない。結婚式でしか会ったことのない自分の嫁の友達に、いったい何をいっているのだろうか。

嫁に言いつけるという選択肢もあった。だが、新婚の幸せな気分に水を差すのも気が引ける。なにより面倒くさいことに巻き込まれたくないので、放っておくことにした。

フェイスブックには、申請が2度来て、2度とも承認しなかった。友達である奥様のほうとは繋がっているのだが、子供を抱いて幸せそうな写真を見ると複雑な気分になる。

「えっ!そんな男いるの?信じられない……」と思う女性も多いと思うけれども、実は、嫁の友達にワンチャンを期待するクズ男、というのは割といる。わたしが隙が多いのかもしれないけれど、実のところ、友人の旦那様から誘われたのは、この一件だけではない……ということは、割とよくある話なのではないだろうか。

いくらいい男であっても、わたしの優先順位は決まっている。友情を裏切るようなことはしない。ちなみに件の男からは、つい先日、3度目の申請が来たので、いよいよブロックすることを考えている。

Text/大泉りか