典型的次男と色気ムンムンオヤジ
一人目は、悪役・バレムの弟を演じるダグラス・ブース。タイタスという名の彼も悪役で、兄を貶めようとジュピターとの政略結婚を企てるんです。このダグラス・ブースがまた嫌味たっぷりの“典型的次男”でなかなか香ばしいんです。
何ていうんでしょうね、無理に色気を出そうとする青年とでもいいましょうか。元々イケメンなのに、明らかに背伸びしたカッコつけ野郎で、色気を無理やり盛ってる感じなんです。もちろんそれは役としてなので、「ダグラス・ブース、お見事」です。
ただこういう背伸びキャラは同じ男として共感しちゃうんですよね。何ていうか、現状のままでも決して人生の危機を迎えるわけではないのに、背伸びしてもっと上を目指したくなる感じ。凄くわかります。
彼も兄のように結局ヘタレなんですが、こういうキャラは憎めないし、むしろ自分と似てて「お前もう少し頑張れよ」と心で涙しておりました。
最後に紹介したいのが、ショーン・ビーン。スティンガーという役柄ですが…細かな設定は伏せておきましょう。もうアレです、スティンガーは色気のあるオヤジです。もういいオッサンなんですが、こういうオヤジって色気があるんですよね。
どうやら『ジュピター』をショーン・ビーン目当てで行く女性ももちらほらいらっしゃるそう。ちなみに、ショーン・ビーン演じるスティンガーは、なかなかカッコいい役割を担っていてイイオヤジ全開です。
筋肉質で頼れるけど童貞っぽいケイン、ヘタレなバレムとタイタス兄弟のツッコミがある若手3人に比べて、とにかくイイオヤジなスティンガー。この機会に俳優・ショーン・ビーンを知って、本作以外を楽しむのもオススメです。
というように、この映画はタイプの異なる個性的な男性キャラクターが多数登場します。
あなたはどの俳優、どのキャラクターがタイプでしょうか。統計取ってみたいものです。
SF映画、アクション映画、壮大な映像によるアトラクション映画として様々な魅力がある本作ですが、個性豊かな男性キャラクターたちを女性同士で吟味し合うのも、また違った楽しみ方ができると思います。
ちなみに私は、ミラ・クニスが美人で可愛くてたまりませんでしたが、その気持ちは胸に秘めておきます。
3月28日(土)新宿ピカデリー、丸の内ピカデリー他全国ロードショー
監督・脚本:ウォシャウスキー姉弟
キャスト:チャニング・テイタム、ミラ・クニス、ショーン・ビーン、エディ・レッドメイン、ダグラス・ブース
配給:ワーナー・ブラザース映画
原題:Jupiter Ascending/2015年/アメリカ映画/127分
URL:映画『ジュピター』公式サイト
Text/柳下修平