バイブよりいいとほめられTENGAよりきもちいいよと返してあげる(佐々木あらら)

 オナニーのいい点は、セックスより手軽なところと、自分の快楽に最短距離で向かっていけるところ。

 相手に気持よくしてもらうのは、結構めんどうです。お願いすることがたくさんあって相手に負担をかけますし、いちいち声や態度で最適な動きを誘導したり、あるいは多少の演技をして盛り上げていかないといけません。

 そこで「志を低く」。

 隣で寝ているときに「ごめん、今日はなんかむずむずしてるから、ちょっと一人でしてもいい?」

 どこかでこっそり一人で済ませられるぐらいなら、自分の隣でやってほしい。そういう関係をつくってしまえば、もう、しめたものです。

 相手に「自分に性欲がある」ということをアピールすることにもなります。

 うまくいけば、最後の最後だけちょっと手伝ってもらうこともできるかもしれません。お互い興奮してくれば、たまにはそれ以上のことができるかも。

 そうじゃなくても、終わったあとに隣に好きな人がいるのは、慣れると割と悪くないです。

「自分もいつも一人でしてるから、たまにはあなたもしてくれると嬉しい」と頼めるようなら、もう、「お惣菜的セックス」はできたようなものです。

 そして、これは大切だと思うのですが、好きな人が自分のベストの快楽に向けてする手法を知るのは、今後の「完璧なセックス」の達成のためのいいヒントにもなるものです。どこが感じるかとか。どういう風な順番でどう触ればいいのかとか。どういう声を出すと本気なのかとか。

 まあ、ドン引きされるかもしれませんけど、どっちにしろセックスレスになるんなら、自分の性欲の存在をアピールして、自分だけでも気持ちよくなる性生活だって、いいんじゃないでしょうか。

またしてもおんなじ味だ 泣き濡れる女の横でするオナニーは(佐々木あらら)

 単に僕が特殊な性癖なだけという可能性があるのでこわごわ言いますが、好きな人の隣でするオナニー、最初にするときはとても勇気が要るけれど、僕は大好きです。

 では。幸せなセックスライフが、私たちに末永く続きますように。

Text/佐々木あらら

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