同性の同僚を好きになってしまいました

ぐりとまらさん(東京都)
エピソード:
 職場の仲のいい女性と一緒に、フランス語を勉強することになりました。
 休み時間の人のいない会議室で、隣どうしで1冊のテキストを見て、1つのイヤホンで音源を聴く。
 しだいに回数も増え、かなりの時間を一緒に過ごすように。
 そして気づきました。もしかして彼女は私のことが好きなのかも、と。
 そう思うと、勉強中に甘えてきたり、軽く触ってきたりする行動がすべてセックスアピールに見えてきます。二人でイヤホンを共有しているのがもはやセックスのように感じられました。
 私には異性の恋人がいたので、悩みました。
 しかしその悩みは突然解決しました。彼女が退職したのです。
 彼女のデスクを片付けるどさくさで、彼女と自分の椅子を交換しました。「椅子」は彼女とはじめてフランス語を勉強したときに出てきた単語でした。
 本当に私を好きだったのか、今でも彼女に聞いてみたくてたまりません。

左耳以外で君とリエゾンをしたくて通う会議室B(ぐりとまら)

 最後は「なんかこんな映画見たことあったかも」と思えるような話。っていうか、いつか真夜中に見た映画のあらすじ書いてきてない?それぐらいグッときました。あ、映画のタイトルは『la chaise(椅子)』で。若いころの蒼井優とか、相手役の子を上手く演じそうです。

 ひとことだけ出てくる異性の恋人ですが、この男って、ぐりとまらさんの過去の投稿『出し終えたコンドームって燃えるゴミ?燃やせないゴミ?燃えつきたゴミ?』から勝手に想像するに、モラハラでDVの自称ミュージシャンのことかもしれない。ピアスしまくった高良健吾なわけですよ、僕の脳内キャスティングでは。

 主演は、ええっと、ちょっと冴えない感じがほしいので今なら有村架純とかにしておきましょうか。前の晩に高良健吾に殴られちゃった有村さんが必死に顔の傷を隠しているのを、蒼井優は見逃さないんです。そして、光のあふれる二人だけの会議室でその傷をゆっくり撫でたりする。

 ああ、もう僕は1本見終わったような気持ちです。素敵なエピソードをありがとうございました。記憶を蹂躙してしまってすみません。

 お詫びに、この映画みたいないい思い出の、ラストシーンみたいな短歌をぐりとまらさんに送ります。

気づかれてないほど淡く好きだったあなたの椅子は少し小さい

次週からは新テーマです

というわけで、次週からは「おうちデートの思い出」編です。

Text/佐々木あらら