会社の先輩に告白されました

ちょことさん(兵庫県)
エピソード:
 数年前のこと。
 職場の先輩から「彼女がほしいから合コンを開いてくれ」と頼まれ、何度か合コンを企画しました。
 先輩はそのうちの一人といい感じになり、「私の役目も終わったな」とひと安心していました。
 ところがある真冬の日、先輩から「相談したいことがある」と持ちかけられ、公園へ。そこで、
「仕事の後輩だからと我慢してきたけど無理だった。好きだ、お前が」
と告白されました。
 少女漫画みたいだ!……と思ったものの、ただの職場の先輩としか見ていなかったので、キュンとするどころかパニックになり、真冬なのに汗が止まらなくなりました。
 必死に断りの言葉をしぼりだしました。目に涙をためて笑顔をつくる先輩を見ていて、さらに胃が痛くなりました。
 好きだったなら、なぜあんなに「合コンしてくれ」と言ってきたんでしょう?
 女の子といい感じになった」と言ってきたのはなんだったんでしょう?

熱くなるあなたの頬に比例して私の首に伝う冷や汗(ちょこと)

「彼女がほしいから合コンしてくれ」という言葉は前半のほうが重要なんですよ。そのセリフの返答として彼が期待していたのは、

「そんなに女の人と付き合いたいんなら、私とじゃダメですか?」

というリアクションです。恋愛に不器用な人ってだいたいロマンチックがこじれていて、期待する女性像が貧困でめんどくさいんです。

 また、同性間の恋愛自慢はマウンティングですが、異性相手の恋愛自慢は「誘い水」です。つまり、嫉妬心をあおって、

「そんな女の子より、私と付き合ったほうが絶対いいですよ!」

という返しがくるのを期待してるんです。実際に付き合うかどうかはさておき。

 まあでも、ほんとうに好きな人に直接告白できなかった彼の気持ちは、少しわかります。

「自分と付き合ったら、大好きな相手に職場内で迷惑をかけてしまいかねない」と考えて前に進めなかったんでしょう。だから自分からストレートに告白するのでなく、ややこしい形で愛を表現していたのだと思います。

 とはいえ、きっちり断って良かったんだと思います。ちぐはぐにはじまる恋って、結局気持ちの周期みたいなのが合わないまま終わることが多いですから。災難でしたが、よくがんばりました。

好きですと僕に言わせる作戦を恋と信じる時点で嫌い