年齢をサバ読みされてました
斗花さん(東京都)
エピソード:
20歳のとき。
同い年ということで付き合っていた彼と一緒にお花見をしていたら突然、
「俺、22歳なんだ」
と打ち明けられました。「20歳のときにはニートをしてた」とも。
ちょうど成人式に行ったばかりでしたが、彼は成人式に行ったことにして私に話を合わせていました。
告白する彼の態度があまりに切なそうでつらそうだったので、なぜか私が申し訳ないことをした気持ちになりました。
「許すよ!」って笑うためにお酒をたくさん飲みました。
その後、彼に浮気をされて別れましたが、あの時の彼を思い出すと今でも切なくなります。
許さないって言えてれば、別れずに済んだのかな。
10代や20代前半の人たちにとっては1年2年の違いだってびっくりすることですよね。人間の格が「学年」に縛られていますから。「同級生と付き合う」と「先輩と付き合う」では雰囲気がぜんぜん変わるだろうし。
年齢のことを考えるといつも思い出すのが故・飯島愛さんのこと。僕が高校の頃には数歳上のAV女優だったのですが、いつの間にか1個下のタレントになり、亡くなられたときは僕より1学年上になっていました。
人は一様のペースで成長していくんじゃなくて、伸びるときに一気に伸び、老けるときに一気に老けるものだから、もうみんな飯島愛さんのように不自然じゃない程度に年齢を自称すればいいんじゃない、というのが僕の意見です。僕たちは別に役所の窓口じゃない。
斗花さんも、いつか2歳ぐらいは気軽にサバを読む年齢になるし、5歳ぐらいの経験値の差はすぐに追い抜いたり追い抜かれたりしてしまうことを実感する日がくると思います。そのときにはきっと、彼の気持ちが別の角度から見ることができるでしょう。20歳のころの自分の気持ちも。
もちろん、どんな嘘であれ、嘘をつかれるのは気持ちのいいものではないけれど。
一緒にいただいた短歌はこちら。
桜舞う 別に知りたくなかったよ 貴方の嘘を酔って許した(斗花)
せっかくなので斗花さんの心に引っかかっている「許したいけど、許さないでもいてあげたかった」というもやもやを「保留」の形で織り込んで、こんなふうにアレンジして、この件のお祓いになったらと思います。
ほら見なよ また君がつく下手くそな嘘よりも嘘みたいなさくら