恋に恋するかのごとく絶望に絶望してるから生きておく

佐々木あらら 初体験 処女 童貞 バレンタインデー エロ短歌 Alaskan Dude

 バレンタインデーは、政治だ。

 そんな偏見を持って生きています。

 小学4年生までの僕は、毎年チョコレートを4つぐらいもらう子でした。男子全員に配るものすごくマメな子と、男の趣味がちょっとマニアックな子だけがくれる、という内訳。

 当たり前のようにたくさんもらってその数を自慢するモテ男子に軽く嫉妬しつつも、別世界の話だとわきまえて、毎年ありがたくお返しをしていた記憶があります。

 ところが5年生になると、突然、チョコが20個以上に。確かクラスで一番もらったんだと思う。

 理由は、急にかっこよくなったから、ではありません。ひょんなことからその年だけ、学級会長をやっていたから。

「しょせんこの世は権力のある者が勝つのか……」

と戦慄したのを覚えています。

 そこで権力欲に火がついて政治家を目指し……というのなら潔いのですがそんなこともなく、ぼんやりとした女性不信がぬぐえぬまま、思春期に突入していきました。

 今でも、政治の話題で「収賄」とか「企業献金」とか「清き一票を」とかいうフレーズを聞くと、あのころのクラスメートの女の子たちの顔が思い浮かびます。脂ぎったおっさんたちがチョコをあげたりもらったりしているイメージも、うっすらと。

 どうせなら選挙も投票用紙に名前を書くんじゃなくて候補者にチョコをあげる形で決めればいいのに。今よりもっと真剣に、誠実な人が選べるような気がするんだけど。

 というわけで、大人も子供もそれぞれの思惑を抱いてすれ違うバレンタインデーの怨霊ラブメモリー、1回めは「小学生暗黒編」をお届けします。