短歌になりそうな言葉を探そう
とはいえ、タンポン太郎さんの話には、節々に短歌になりそうなエッセンスが満ちていますね。
恋愛の怨霊などまったく見当たらない青春の初々しいエピソードかと思いきや、アニメ風の二頭身の妖怪が隠れていた感じ。
たとえば、「AVのモザイク部分を穴が開くほどにらみつけ(実際穴は開いているのですが)」のところ。
短歌はこういう言葉遊びととても相性がいいです。バカバカしいダジャレも「これは掛詞だ」と言い張ってしまうと案外いいものに見えたりすることがあります。
この部分をほぼそのまま短歌化するなら、
モザイクを穴があくほど見つめてる(じっさい穴はあいてるのだが)
みたいになるでしょうか。
もうちょっと真顔でいったほうが、エロ短歌のバカバカしさが引き立つかもしれません。
モザイクを薄目でにらむ おぼろげに見える夢ほど祈りは強く
また、「あんな達成感は、小学校のときの逆上がり以来です」というフレーズにも、ちょっとした怨霊が隠れていますね。なんでそんなにはしゃいでるんだよ、みたいな。ここも短歌にしてしまいましょう。
童貞は大人になった 逆上がり初めてできた子どものように
こんな感じでいかがでしょう。
他にも、「女の子のほうは痛くてしかたないのに、ひとりで達成感に満たされている男のバカさ加減」あたりに短歌になりそうな怨霊が棲んでいそうです。
これはタンポン太郎さんほか、みなさんへの宿題で。