のらりくらりと浮気を隠すカレにボロボロにされ…
(秋子・34歳・東京)

Q.
はじめまして。山田先生のコラム、あまりに面白くて何度も何度も読んでいます。
だめな男だとはわかっているのですが、謎過ぎて、その正体をはっきり教えて欲しいです。
二十代の頃からの6つ上の憧れの男性がいて、三十路になってからたびたびデートに誘われ舞い上がる様な気持ちでした。 最初に疑問を抱いたのは、彼が告白してきた言葉が「嫌いじゃない」だったことです。最終的に「付き合って」と消え入りそうな声で言ってきたので「え?」って聞き返したら「何でもない」と言って、そのまま音信不通に。

数年後また会う機会がありやっぱり好きだなと思い、私からちゃんと告白しました。その後順調に関係は続いたのですが、ある日関係の長い彼女がいることがわかったのです。
その後は共通の知り合いと浮気していたり、他にも女がいるらしい噂を聞いたりと、幻滅とショックのオンパレードでした。

私が彼女がいる事を知っていると打ち明けると「彼女というより女友達の一人でラジオみたいに女の子たちがしゃべってるのが心地いいだけ。好きではない。人を愛した事などない。外人と付き合いたい。」とか意味不明な発言を連発するので、飽きれて私から会わないようになりました。
最後に「どうしても会いたい。彼女とは別れる」などと言ってきたのですが、私が「いい加減そういうのいらない」と怒ったとたんまた音信不通に。その後は一切連絡していません。

今は立ち直っているのですが、数年かけて心はボロボロ状態になってしまいました。
最低と一言で言ってしまえばそれまでなのですが、あれはいったいどういう気持ちだったのか、その正体が未だはっきりとはわからず、たまに悩んでしまいます。山田先生のコラムを読んでると色々彼の気持ちもわかってくるのですが、具体的に聞きたくて相談させていただきました。 引っかかってるのもまた人生かもしれませんが、どうか謎を解いてください!よろしくお願いします!

山田玲司 恋愛相談 男の本音 「ペンギン狩り」山田玲司

A.
大変でしたね。
でも、このケースって案外多いと思います。
「憧れの男性だった」という事は、その人の内面(本当の姿)がわからなくても「惹かれる何か」がある男だった、ということなので、おそらくは「見た目」が良かったり、「何か人から評価される才能」を持っていたり、感じのいい対応が自然とできる人だったり、そういう「要素」がある男だったのだと思います。

そして自分から女に「好きだからこうしたい」と言えない男だったわけですね。

これってね・・ちょっと「多くの女の人がつまずく問題」が入っているので、みんなも聞けよ。ふふ。

それはいわゆる「主張しない男問題」です。
例えば高校のバスケ部でかっこいい男子。プレイは素敵で、佇まいもいい感じ。男友達とは普通に笑っていたりするけど、あまりしゃべらない、という男子。

もしくは大学の図書館にいるいい感じのメガネ男子。こっちから声をかければ「感じのいい対応」をしてくれるけど、自分からは何もしてこないタイプ。

いましたよね。モテてましたよね。こういう男達は。

こういう男がモテるのは大きく2つの理由があります。 1つは、寡黙で、内面が見えないため、女側の理想(妄想)を自由に託すことができる、という事です。
本当は四六時中「くだらない事」や「スケベな事」を考えているのが男です。
そんな「心の中」を無防備に、もしくは「必死に計算して」女に見せる男達に比べて、はるかに「夢を見せてくれる」のが、この「寡黙な男達」なのです。
しかも自分からはペラペラと喋らないけど、声をかけられれば感じ良く答える、というのがまた「モテる要素」ですよねえ。

もう1つは、そういう自分から来ない男(イケメンに限る)は、女の中にある「私を認めて欲しい」という「承認欲求ボタン」を自然と押したりします。

「自分からは来ない男」を振り向かせて、自分に夢中にさせたいのが女の性です。
逆に「俺は俺は」と、自分に言って来る男は「落とす価値が無いように思える」のも女の性でしょう。