ヤリチンは、「俺なんかを好きになってくれる女」を気づかず傷つけている
二村:そこでおかしいと思えたのは、川村さんの心のセコムが鳴ったんですね(笑)“愛してくれない男”警報が。
川村:こんなブスを抱いてくれるってことは、本当に好きだからかも、って思うから、気持ちもっていかれちゃうじゃないですか。
二村:自分を受容できていない人ほど、心を食われちゃうよね……。
川村:だから、結果としてヤリチンを好きになっちゃった、ということはありますね。
二村:確かに、最初からヤリチンだと分かっていて突っ込んでいく女性は、あんまりいないですよね。いや、いるな……。あのヤリチンを私だけのものにしてやろうっていう気概で立ち向かっていく女性。
川村:それこそ女性側の「私がコントロールしてやろう」という思いですかね?
二村:演歌の歌詞にも「お前が俺には最後の女」とかあるけど、そんなことあるわけないです!(笑)
川村:最後の女になりたいじゃないですか……。
二村:現代のヤリチンというのは純粋な女好きじゃなくて、だいたい母親か父親との関係が原因で自己受容できてなくて、心の穴を埋めるために女を抱くわけで、そんな自分にムカついてもいるから「俺なんかに恋をする女の人」のことまで無意識に憎んでいますからね。だから傷つけるわけです。
川村:なるほど。傷つけてやろうと。
二村:女の人が「傷つきたい」って思ってるわけじゃないのに、無意識に自分を傷つける男に惹かれちゃうのと同じです。
自分が女を憎んでることをヤリチン本人も自覚していない。切り離し依存で、あれ、一種のDVだから。
川村:わかってないでやっているってタチ悪いですね。
二村:だから、そういうことを繰り返しているだけだとどうにもならないから、女性も男性もこの本を読んで「なぜ自分が、そういう恋を繰り返してしまうのか」考えてほしいって思いますけど。