雨宮まみさんの新刊『女の子よ銃を取れ』(平凡社)発売を記念して、プライベートでも雨宮さんと仲良しなトミヤマユキコさんとの対談企画を公開します。
お二人に、美やファッション、年齢についてなど、女子がぶつかる外見の悩みとの付き合い方についてお伺いしました。
ぜひこちらを読んで、少しずつ悩みをつぶしていってくださいね!
第一回はこちら→こじらせ着ぐるみを脱ぎ捨てて…(1)
第二回はこちら→おしゃれなパーティーはまず自己紹介でつまずくあなたへ(2)
かわいい女の子でいなきゃいけない?
―日本では「かわいい女子でいなきゃいけない」という圧力があると思うんですけど、そういう中でどういう風に振る舞っていけばいいんでしょうか。
自信がなくてもなんとかなる方法があったら教えてください。
雨宮:かわいくないことで悩んでいる女性は多いですよね。
私の友達にすごく生命力がある子がいるんですけど、その子は「かわいい女子でいなきゃ」みたいなことを一切気にしてないんですよ。
「こういう格好しなきゃいけない」というプレッシャーとか、劣等感を感じているのも見たことがない。あるのかもしれないけど、それは多分、そんなに深刻で重要なことじゃないんだよね。
かわいいもの見たら「かわいいね」って、欲しければ買う。すごく無邪気に自由に見えるんですよ。
自分を周りと比べたりもしないし、女子力とか細かいこと考えない。化粧とかも「会社に行くときは塗るもんですよね~」ぐらい。
でもね、すっごいモテるの。
トミヤマ:あーーーーーーー!究極のモテ!
雨宮:「私は結婚してるけど、1年に2回くらい『結婚してくれ』って言われるから、『婚活してても結婚できない』みたいな話って、絶対マスコミの嘘だよね?」って言ってた(笑)
一同:(笑)
雨宮:彼女といるとすごく楽しいんですよ。周りの視線よりも、自分が楽しむことを優先してるから。
だから、男性も彼女と一緒にいるとすごく楽しいんだと思う。
そういうのに比べたら、「かわいい女子でいること」が一番重要なことじゃないなって思うんですよね。
もちろん、彼女のようになれるかっていうと、それも難しいけど(笑)
彼女は自分が全然揺るぎないんですよね。したいことをするの。
最近復職したんだけど、「入った会社がブラック企業なんだよ~」って、洗脳の手口を愉快に話してくれる(笑)
トミヤマ:(笑) 楽しんじゃってる!どこで何をしていても楽しそうな方ですね!
雨宮:報告が面白いの!人によっては鬱になりそうじゃないですか。
─見た目とかはどんな雰囲気の方なんですか?
雨宮:メイクばっちり、みたいなタイプじゃなくて、今は会社勤めだから普通にスーツを着てる。
ファッションは居場所に合わせる感じかな。
トミヤマ:帰国子女とかじゃないんでしょ?
雨宮:じゃないの。でも、そういう規格外の人たちがいるんです。
かわいくなりたいと思うのはいいけど、「かわいくしなきゃいけない」と思って、自分がしたくもない努力をしていたら、そういう人が三つぐらい扉をババーンって破って自由に生きてるの見た時に「なんだよアイツ!横入りしやがって。私のほうが努力してるのに!」って気持ちに絶対なると思う。
それは不健康な気持ちだと思うんですよね。
見返りを求めてとか、周りの視線を気にしての「かわいくなるための努力」をしても、それは必ず結果が出るものじゃないから……。
トミヤマ:ないですよね~。
雨宮:自分がかわいいものが好きで、かわいい人になりたい、かわいい世界に行きたいって思うのは、すごく健全だと思うんですけど。
トミヤマ:選ばれたいとか、愛されたいからやる「可愛い」はなかなか実を結ばない…。
自分の信じる「可愛い」にむかっていくのはすごくいいことですけどね。
雨宮:自分の好きな方向に走っていたら、失敗してもそんなに後悔はしないですよね。
私はShoopの服を着てたことを後悔はしてない。さすがにもう捨てましたけど(笑)
「可愛い」以外に、似合うものとか見つけるっていうのはいいかもしれない。
それが好きになれるか別かもしれないけど、私は可愛い物が似合わないけどゴツイものとか似合うって発見したときに、「よし!」ってなりました(笑)
好きじゃないのに、可愛いのが似合う子もいるんですよね。「そういうの似合うとか羨ましい~」って、これがマウンティングの時もあるんですけど(笑)
「そういうの似合わないって言われちゃうんですよね~彼氏にぃ」みたいな(笑)
一同:(笑)
雨宮:「かわいい」以外の武器が自分にはあるってわかると生きやすくなるような気がするな。
逆にかわいい子って、アーティスティックな服とか似合わないですよね。
トミヤマ:なんでもかんでも似合う美人はごくわずかですよね。可愛いかどうかじゃなくて、自分に何が似合うかを知ることが先決ですよね。
私、大学で教える仕事もしているじゃないですか。とある大学で働くことになったときに友達から「トミヤマさん、パジャマみたいな服で行ったら怒られるから、やめたほうがいいよ」って言われたんです。
その友達は、私が早稲田で好き放題やっているのを知ってたから心配してくれて(笑)
早稲田は服装に関してはかなり自由なんですよ。それに慣れちゃってたんで、わたしも「講義って言葉で勝負するものだから、別に何着ていたって関係ないよね」とか思ってて。
でも、ほとんどの大学で「スーツっぽいの着ましょうね」っていう暗黙のルールがある。実際、明文化されている大学もありますし。
それでわたしもクビになりたくはないので嫌々スーツっぽいの着るんですけど、就活生より着こなせてない自分がいて辛いというね。
雨宮:ありますよね~、そういうの。
私、服を決められてはいないけど、初めて仕事する編集さんと会うとき、「これ、文章ヘタそうに見える服じゃないかな?」「バカそうに見えないかな?」って気にしちゃったりします(笑)