三高の構成要素だった「大手企業勤務」は現代でも必要十分条件なのか
しかし、なぜA子はマジギレしたのか――。
この問題には非常に根深いものがあります。
B子に聞くとA子は寿退社して専業主婦になることが目標で、週2ペースで「優良男性」が集まる合コンに参加しては、獲物を探していたのだとか。
A子の条件はたったひとつ。
大手有名企業に勤務していること――実はこれだけでした。
「顔やカラダ、学歴は普通でもOK」と上から目線に宣っていたそう。
その態度もどうかとは思いますが……。
しかし、ほかの条件を気にしないからこそ「D本体ではなく、Dの子会社」という事実が、どうしても許せなかったというわけです。
この話を聞いて、はるか太古の昔に結婚相手選びの基準とされていた「三高(高学歴、高収入、高身長)」を思い出しました。
高学歴、高収入には「大手企業勤務」は当然のように含まれる要素でした。
というのも企業で終身雇用制度が機能していたり、バブル期で景気がよかったりと、いまとは360度異なる時代背景があったから。
しかし、A子のようにその時代の「幻想」を現代でも持っている女性は存在します。
大手企業だから一生安泰で、自分が専業主婦になっても十分に裕福な暮らしをしていける――そんな暮らしをイメージしているというのです。
A子ほどではなくても、心のどこかでそんな思いを抱いている女性は潜在的にとても多いと思われます。
厳しいようですが、これはとても甘い考えでしかありません。