【1】そもそも、彼氏がいない。もう3年以上。

 友達のバツイチ女が言いました。
「30過ぎたら、バツイチの方が男は安心するのよ。バツイチって、一度は男に生涯の相手として選ばれた女の証(あかし)だから」

ジェーン・スー 私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな ポプラ社 イラストレーション:サヲリブラウン

 どうですか? この腹にしみる台詞。
そもそもプロポーズしてくれる彼氏がいない女にとっては、ハードルの高すぎる話です。
そりゃ誰だって、たったひとりの特別な相手として、愛する人に選ばれたい。それが、プロポーズ!

 しかしながら私たち未婚のプロは、往々にしてぼんやりしています。
「結婚するなら、人の痛みがわかり、家族の時間を大切にしてくれる人がいい」
「子供はぜったい2人欲しい」
などなど、夢はでっかく自分勝手ですが、そこに辿り着くまでの道のりがまったくイメージできていない。未婚のプロは、地図を持たない旅人です。

 ここ数年誰ともまともに付き合ってない、周りにイイ男もいない、出会いもないのナイナイづくしにもかかわらず、いつかは自分と生涯を過ごすと決めた男性から、一生忘れられないプロポーズの言葉を聞けると思っている。
彼氏が3年以上いない現実と、キラキラした結婚生活の間には結構な距離があることを、ツルッと忘れているのです。

 現在の自分と未来の結婚生活が地続きの現実だと、私がようやく理解したのは30代半ばを過ぎたあたりでした。
それまで「結婚」とは、平凡な日常をガラッと変えてくれる何か特別なもの、私を別のステージに連れていってくれる、たとえば宝くじの当選のようなものだと思っていたのです。

3年以上恋愛をしていないままプロポーズを夢見るのは、買ってもいない宝くじの当選金の使い道を考えるのと、あまり変わらない。
リアリティがないからそれはそれで楽しいけれど、買っていない宝くじが当たらないように、相手がいなけりゃプロポーズはされない。
プロポーズされたいのなら、自分本位な望みを託すのはもうやめだ!それ、「普通の男」じゃなくて「自分にとって都合のいい男」だから。  

ジェーン・スー 私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな ポプラ社

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