ピエロになれば愛されるけど、自分の気持ちは理解されないというジレンマ
アヤ:あとは、ブスの自称がいかに難しいかを知りましたね。
まみ:「アヤちゃん別にブスじゃないじゃん、私の方がもっと…」って。
アヤ:そう、弱者の特権が欲しい人が群がってきて、私の劣等感を否定しに来るんです。
一度、あまりにもムカついた相手のFacebookを検索してみたら、ちゃんと可愛いくて殺したくなった。
まみ:見たんだ(笑)。
アヤ:見るよ。っていうか今だに監視してるからな。先月は素敵な仲間とバーベキューに出かけたそうです。
…あとはもう一つの理由があって。というのは、「ブスでニートのオカマ」としてメディアで突き抜けようと思ったら、本当にできてしまいそうだな…と思った瞬間に、怖くなったんです。
まみ:ピエロになれば愛されるけど、自分の気持ちは理解されず、このまま人に身を捧げつくす一生になってしまう。
アヤ:そう。ピエロになることで得られる承認を気持ち良いと感じてしまう自分もいるから、引っ張られていったら一生が大変なことになると思ってやめたんです。
まみ:みんなが面白がってもらえるのってすごく楽しいんだけど、それでキャラ的な部分が拡張されていくと、生身の自分との乖離がひどくなることも…。
アヤ:そうなんですよ。知らず知らずのうちにすり減ってくる部分がやっぱりありますよね。
まみ:自虐によって?
アヤ:返ってくるリアクションによってかな。
まみ:ああ…。友達に言うのと同じような感覚でSNSで自虐すると、赤の他人から「自分で言ってるから、こいつにはこれを言ってもいいんだ」って思われるんですよね。「モテない」って自分で言っても、友達は温かく見守ってくれるけど、他人は「そういうところがモテないんじゃないですか?」「もっと自分に素直になったほうがいいですよ!」とか、容赦なく踏み込んでくる。
アヤ:悲しくなってきちゃった……。