アイドルに夢中になって、歯と爪がボロボロに

雨宮まみ 少年アヤちゃん ○○

まみ:アヤちゃん、最近「500円しかない」とかよくツイートしてますよね。

アヤ:そう、「超特急」というアイドルグループに貢ぎすぎてお金がないんですよ。超特急というのは、「史上初!フロントメインダンサー&バックボーカルグループ」をコンセプトに掲げたクソみたいな男子グループなんですけど、なぜかハマってしまって。現在ももクロの弟分として売り出されています。

まみ:だから、ちょっと戦隊っぽい売りなんですね。

アヤ:そうなんです。そんな超特急に、メディアで自尊心すり減らして傷ついていたどん底の時期にはまっちゃって、もうキャラとか背負うのやめようって思うようになったんです。アイドルは偉大ですね。

 ただ、ちょっと極端になりすぎちゃったみたいで、ツイートも普段の発言もそればっかりになってしまって。
もうすごいリムーブされるわ、編集さんには注意されるわ、ひどい状態に……。
しかもアイドルを信仰するのって、すごく楽しい反面、同じくらい苦しくもあって。というのも私、アイドルにどうしてもコンプレックスを投影してしまうんです。

まみ:コンプレックスを投影するってどういうことなんですか?

アヤ:自分にないもの、自分が羨望しつつ手に出来なかったもの、それをアイドルに託すんです。
つまり私の推すアイドルって、「理想の自分」なんですよね。「理想の自分」が舞台上で煌めき、喝采を浴びている光景は恍惚とするほど気持ち良いのですが、一方で「そうはなれなかった自分」を浮き彫りにする作業でもあって。
それで病んで、爪とか歯がボロボロになったりして。

まみ:子どもを産んだわけでもないのに、骨粗しょう症みたいになってる。

アヤ:友人も同じような状態になってました。それで、すがるように手にしたのがパワーストーンだったんですよ。

まみ:パワーストーンのブレスレットですよね。ちなみに何の石なんですか?

アヤ:母性を高める石、と言ってました。

まみ:これ以上高めてどうするの!?(笑)

アヤ:本当ですよね。高めてどうする!おかげで、自分のことそっちのけでアイドルのブランディングについて考えたり、ファン同士で一晩中新曲衣装についてミーティングしたり…。ますます暴走していくんです。
そういえば一番やばいとき、取材でAMの編集さんたちと一緒だったんですよ。

AM編集部:取材先で、おもちゃのブレスレットが売ってたので、「アヤちゃんパワーストーン外してあれつけなよ」ってふざけて言ったら空気が凍っちゃって「これはガチなパワーストーンだ」って思いましたね。

まみ:「パワーストーン外せとか何言ってんの?」「私に死ねって言ってるの?」って感じの空気に(笑)。

AM編集部:苦笑いがすごかったですよ。

アヤ:…あんまり覚えてないんですよ。けど、ブランディングがつらくて逃避した先でノーブランディングの垂れ流し状態になって、結果人は離れていくし、AMの編集さんにもそんな態度を取っちゃうし、やっぱり適度なブランディングって必要なんだと思いますね。