「そういうもん」だと思えばイケるかも?

世の中の多くの人が、パートナーを1人に限定する独占的恋愛のみを支持しているのはなぜか。ソリは、「一夫一妻制という異性愛結婚制度を通して、二人の大人の経済共同体を作って、子供を産み育てるのが正常な家族だという概念が、国家としては一番安定するし、人口も維持できて、税金も徴収できる素晴らしいシステムだから」と言い切る。独占的恋愛は確かにロマンチックだ。でも、本当のところは「それが一番国家が安定するから」が答えなんじゃないかと、私も考えている。あとは性病予防とか? まあ、少子化すぎて現在はこのシステムを持ってしてもまったく人口を維持できていないけど。

「オープン・リレーションシップ」と聞いて、「(百歩譲って)他人がやるのは構わないけど、私は無理」と思う人が現在は大半だろう。しかし私は、「そういうもん」だと思えば意外とイケるのでは? と考える少数派のうちの1人である。何事も慣れの問題というか……。「恋愛=独占的恋愛」だと幼い頃から叩き込まれたからそれ以外を想定できないだけで、「恋愛=独占的恋愛と非独占的恋愛を選べる」が普通の社会になれば、世の中の4割くらいの人はわりと馴染めるスタイルなのではないか、と思う。

何にせよ、まずは小説を読んでみてほしい。この小説が、誰かを愛すること、大切にすることって何だろうと、考えるきっかけになるはずだ。

Text/チェコ好き(和田真里奈)