ニンニクいれますか?

二郎系ラーメンの最寄・目黒駅

平日夜に、目黒駅改札前で待ち合わせ。やってきたのは、どこにでもいる会社帰りのお父さんといった感じの方でした。ホッとしたものの、逆に「こんなに普通のお父さんも既婚者専用マッチングアプリやるんだ…」と急に冷静になり、何も信じられなくなってきました。歩きながら

「麺の量はいつ伝えればいいのか」
「麺半分にしたら馬鹿にされないか」
「スープは全部飲まないといけないのか」

など矢継ぎ早に質問しながら、Sさんオススメの目黒にある二郎系ラーメンのお店へ。既に10人ほど並んでいました。

自動販売機で「小 500円」の食券を購入。安い! ラーメンのサイズは小と大しかありませんが、「小」でも麺の量が300~350gほどあるらしいのでご注意。自信がない人は、小の「麺少なめ」か「麺半分」でいいと思います。ちなみに、その店は他の店舗に比べて麺の量はかなり少なめらしいのですが、それでも一般的なラーメンの並サイズより多い気がします。

麺の量や硬さを言うタイミング、トッピングの伝え方など細やかなルールがあるので、事前に調べておきましょう。

列に並んでいる途中で店員さんから食券を見せるよう促されるので、その際に麺の量を店内に伝えます。しかし、Sさんも他のお客さんも全員無言だったので「ほんとに今言っていいの?」と混乱してしまい、「ワ…ワ…」とちいかわみたいに震えているうちにタイミングを逃してしまいました。
「こういう失敗を避けるためにわざわざ二郎系ラーメン愛好家を探して一緒に来たのに、意味なくない…?」と若干モヤつきつつ、着席。

カウンターに食券を置いてしばらく待つと、店員から「ニンニクいれますか?」の質問。つまりトッピングを聞かれます。とうとう例の「〇〇マシマシ」のコールをする時がやってまいりました。

トッピングは、アブラ、野菜、ニンニク、カラメ(スープの味を濃くするための醤油たれ)の4種類。量は「マシ」「マシマシ」で表現します。アブラと野菜は、デフォルトで入っているものなので、量を増やしたくない場合は「普通」あるいは「そのまま」と言えばOK。

私が頼んだのは、小の「そのまま」。
記事の写真映えを考えたら、ニンニク野菜アブラ全てマシマシで注文して山盛りラーメンを食べるべきだったのでしょうが、42歳女性の消化器官ではとても耐えきれないため、日和ったオーダーとなりました。中年女性の代謝の悪さをなめるなよ。

こちらが人生初の二郎系ラーメンです!!

野菜から食べ始めると、下の麺がスープを吸って大変な量になるので、野菜と麺をひっくり返す「天地返し」をしてから食べます。

野菜の下から出てきた麺が、想像以上に太い!! しかもゴワゴワしてる! オス度が高い!

キレのある濃いスープが麺に絡み、一口食べただけで脳にガツンとくる美味しさです。「やだ…こんなに荒々しい食べ物、初めて…」と、範馬勇次郎に抱かれる女みたいな気持ちに。ホロホロなチャーシューと一緒に、太く硬い麺を夢中で頬張る熟女。文字だからまだ許されるものの、映像だったらかなりギリギリのラインだと思います。

二郎系ラーメンの発祥は、慶応義塾大学のお膝元・三田のラーメン二郎。炭水化物を食べても食べてもお腹が空いてしまう育ちざかりの慶應ボーイたちと同じものを食べていると思うだけでも、若干興奮してしまいます。

勢いでスープを飲みそうになりましたが、健康診断の結果でLDLコレステロール値が高かったことを思い出し、我慢。安くて美味しくてお腹いっぱいになれて、大満足です。
今までの人生ベストラーメンは「雪の日に家で食べるサッポロみそラーメン」一択だったのに、二郎系ラーメンのあまりの力強さに中年乙女心が揺らいでしまいそうです。