いろんな価値観を持つ人の言葉に救われる

そんな薄暗い状況から抜け出して前を向きたいというあなたにおすすめしたいのは、友達をつくることです。
友達は、大人になってからでも、何歳になってもつくれます。
「友達も恋人も煩わしいから必要ない! 一人きりで過ごすのが楽チンだし、仕事に趣味に毎日忙しくって自分だけの時間を大事にしたいんだ!」という考えならそれはそれで充実していますから何も言うことはないのですが、きっと今のあなたはそうではなさそうです。
何も、生涯の大親友をつくれと言ってるのではありませんよ。
SNSをきっかけにしたっていいですし、同じ趣味の人でも、よく行く飲み屋さんの常連さんでも、友達の友達でも、職場の同僚のパートナーでも、誰でもいいのです。
人間関係は恋愛だけじゃない、恋愛していなくても孤独ではないという経験をしたほうがいいと思います。

自分で自分を肯定できない状態なら、一時的にでも誰か代わりに肯定してもらうことで楽になれるときもあります。
友達は多ければいいというわけでも、少ないからといって人生が豊かではないというわけでもありませんが、いろんな視点や価値観を持つ人の言葉が、今不安定な状態に陥っているあなたに必要ではないでしょうか。

「もう恋愛するのがこわい」と吐き出したあなたに対して、友達の誰かが「なーに言ってんの! そんなの今だけだよ!」と背中をバシバシ叩いてくれたり、「わかる~わたしも前にこういうことがあってね……」と共感してくれたり、「いやいや、話を聞いてみたらあなたの元彼って結構ひどくない? もっといい男が絶対いるって!」と今までにない意見を言ってくれたり……そんな彼らから発せられる様々な視点の言葉のどれかひとつが、あなたの不安を解消してくれるかもしれません。

「孤独死がこわい」と吐き出したあなたに対して、友達の誰かが「じゃあおばあちゃんになったら一緒の老人ホームに入ろうよ!」と誘ってくれたり、「よし! じゃあわたしの男友達でめちゃくちゃいい奴がいるから、紹介するわ!」と新しいきっかけをくれたり、「そんな未来のことを考えたって仕方がないでしょ!」と笑い飛ばしてくれたり……その言葉たちのどれかが、あなたの気持ちを救ってくれるかもしれません。

そういった、たくさんの素晴らしい可能性を秘めているのです。

「どっちかわからない」は判断材料が足りないから

そもそも「次の人を探さなくちゃ」という焦りは禁物です。
不安を解消するために恋愛をしないと……という発想からも、依存先を限定しているように感じたのですが、孤独を感じない人間関係は恋愛だけではありませんから。
「寂しいから彼氏がほしい」という考えを否定しているわけではないので、勘違いしないでくださいね。恋愛するのがこわい、でも一人きりは寂しい、だから恋愛をしないと……と義務感に駆られる思考は要注意だということ。

今のあなたには、恋愛に限定せず、人間関係を広げていく作業が必要だと思うのです。
たとえ「恋愛するぞー!」と元気いっぱいな状態だとしても、他人を「この人を恋愛対象として好きになれるか」「この人の恋愛対象として好きになってもらえるか」とジャッジし合うコミュニケーションはとても疲れてしまいます。
不安定な精神状態が続いているのなら、なおさらのこと。
「おもしろい人だな」「なんだか仲良くなれそう」と、恋愛モードを取っ払った状態でたくさんの人と知り合って欲しいと思います。
もしかしたら、その過程で付き合いたいと自然に思える相手ができるかもしれませんし、恋愛がこわいと思う気持ちに変化があるかもしれません。

この連載で、「恋愛はしたいときにすればよくて、したくないときはしなくていい」という話を何度かさせていただいています。
恋愛したいのかしたくないのかわからないときは、そこにこだわるのを一旦やめましょう。
「どっちなのかわからない」ということは、今答えが出るタイミングではなく、そのための判断材料が足りない表れですから。
なんでもかんでも白黒つける必要はありませんし、世の中には白黒つけようがないグレーなものがたくさん存在します。
「早く答えを出さなくちゃ」と焦るのではなく、「そのうち答えが出るかもしれないな~」とのんびり構えて過ごしてほしいと思います。

Text/ものすごい愛
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