フランス流・貧乏カップルの10万未満の結婚式内訳

<結婚式場代:無料>

パリでは日本で言うところの「婚姻届を出す」行為が役場での結婚式にあたるでしょうか。
必要書類を提出して役場に二人の名前が掲示され、結婚に反対する人がいないかどうかなどを確認したのち、予約した日時に役場の人と家族の前で書類にサインし、結婚が成立します。料金は無料です。

ただ日本人の私はフランス人と結婚することでビザ手続きなどで日本に一度帰国するための飛行機チケット代やフランス大使館に支払いをするという出費がありました。

<結婚衣装:私のワンピース60ユーロ、旦那さんのスーツ150ユーロ>

役場で挙げる式には特に決まりの衣装があるわけではありません。
移民の多いパリではそれぞれの民族衣装で参加するカップルや、男女共にスーツでというシンプルスタイルのパリジャンも少なくありません。

私は式の際の衣装は普段着でもいいと提案したところ、旦那さんからNGがでて2人で洋服を買いにでかけました。
パリには少し凝ったデザイン&手軽な料金のH&Mと同じ系列のブランドがあり、そこで私は白黒のワンピース、旦那さんはスーツを購入し結婚式後も着られるものを選びました。ワンピースに合わせて簡単なベールを手作りして済ませ、結果どこにも売っていないような自慢のデザインになりました。

<結婚指輪:5千円>

私は指輪もいらないと思っていたのですが、フランス人の旦那さんにとっては結婚指輪は特別なものらしく、購入したいと言い出すのでならばと私が祖母からゆずりうけた金の指輪を、宝石加工のお店に持ち込んで二つに切ってもらい結婚指輪にしました。

<ブーケ:友人からのプレゼント>

パリのフローリストの友人が、シンプルワンピースに合うブーケを手作りしてプレゼントしてくれました。

<披露宴パーティー代:300ユーロ>

披露宴といっても、旦那さんの実家の庭でバーベキューパーティー。
巨大スーパーでワインや食料を買い込んで、テーブルも風船などで飾りつけし、スイカを割ってフルーツポンチにしたりとすべて手作り。 ケーキだけは張り切って地元の有名なパティスリーで購入しました。招待者は旦那さんの家族とお友達のみ。 日本の家族は呼び寄せませんでした。

日本の家族や友人をフランスの式に招待する代わりに、日本では写真だけの結婚式をして白無垢花嫁姿を祖母と両親にお披露目しました。日本の友人達には東京の美味しい居酒屋座敷を貸し切って、お1人様参加費5千円で飲み会パーティーをしました。この居酒屋披露パーティーでは、私の友人、元同僚、上司たちが集まり盛大な飲み会となり、最後には幹事を引き受けた友人がウェディングケーキのサプライズを仕掛けてくれてとても思い出深いものになりました。

実際、結婚式は低料金でできるものです。
それに私の周りの友人らの結婚式に招待してもらったりする中で、ケーキカットをしながら記念撮影のターゲットには絶対になりなくないなとか、招待する客に「招待」にも関わらず何万円も支払わせるのは心苦しいな等々、自分の結婚の時には「やりたくないこと」がたくさんありました。

日本でいう「これこそが結婚式」という型にはまったものは、とにかくお金がかかります。
でも自分たちで工夫して友人や家族たちに喜んでもらえる自分たちらしい式も工夫次第で素敵な式にできるものだと思うのです。

結婚式後の結婚生活にもお金は必須です。
見栄や形にとらわれた式にお金をつぎ込むより、自分の幸せな結婚生活のためにお金は使いましょう。

Text/中村綾花

初出:2013.08.09