話を聞いてから改めて写真のことを考えると、二人で旅行に行ったときのイチャイチャ写真なんかではなく、家の庭の前で二人の男女が記念に撮影した普通すぎる写真。
でもそれが旦那さんと撮影した最後の一枚だったのかもしれない、そう思えてきたのでした。
後に彼女が「旦那がもう帰ってくることはないだろうと諦めている」という話を聞きましたが、
あの写真を私のところまで持ってきてくれるときの彼女は「見て見て、これが私の旦那さんなの!」と、新婚カップルの写真を見せるような満面のハニカミ笑顔だったので、彼女が旦那さんのことを諦めてるとは到底思えません。
10数年も好きな人と、やむをえない事情で引き離されるなんて。しかも10数年も待ち続けることなんて。
私には想像すら怖くてできません。
この出来事の後「何が婚活だ!」と、自分がこれまでに世界婚活だなんだと愛についていろいろと考えたり執筆してきたことがアホらしくなってきました(もちろん、婚活をしているときは必死の思いだったのは確かです)。
絶対に紛争やら戦争は反対。そう宣言すること、そして毎日感謝をすることくらいしかできない自分の「何でもなさ」にただただ、無力さを感じてしまったのでした。
Text/中村綾花
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プロフィール
中村綾花
ラブジャーナリスト/ライター。
1980 年福岡県生まれ。県立長崎シーボルト大学(現・長崎県立大学シーボルト校)国際情報学部情報メディア学科卒。
テレビ番組制作会社でAD として勤務するも仕事に疲れ果て、ニューヨークに1年間逃亡&遊学。帰国後は20 ~ 30 代サラリーマン向けフリーペーパー& ウェブサイト『R25』(リクルート)で執筆や編集を務める傍ら、男女がもっと分かり合える場を作る「男の子の会」を主宰しNHK ニュースで全国放送される。しかし、そこに映る自分の姿に絶句し、2010 年に「世界婚活」プロジェクトを立ち上げ、世界各国の恋愛・結婚事情を取材して回りながら婚活も行うラブジャーナリストとして活動開始。
2012 年、世界婚活中に出会ったフランス人と結婚し、現在はパリにてLOVEを調査中。日仏カップルや、現地のフランス人・日本人にインタビューをする日々。
website:[世界婚活]
twitter:@ayakahan
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