私はフランス人でないと結婚できなかった
私は一度だけ日本人男性とおつきあいをしたことがあるのですが、彼が何を考えてるのか、私にどうして欲しいのか、彼に聞くことがなぜか難しく、遠慮してしまいました。
そんな調子なので、私は素の自分をさらけ出すどころか「彼は私にこうあって欲しいのかな?」と想像だけで振る舞っていたところがあり、とても窮屈に感じていたのです。
そんな彼とはやっぱり合わずに3ヶ月で別れてしまいましたが 、他の日本人でも、今のフランス人の旦那さんと同じくらい「はっきりものを言い合える」中になる相手は、なかなか見つけられないと思うのです。
だから、私は議論すること、自分の意見や感情を言葉に出して話すことに慣れているフランス人だったからこそ、丁度いい相手が見つかったのかな、と、ふと最近気がつきました。
かといって、日仏カップル全員が全員そうかというと、そうでもないそうです。例えば、私が良く聞く日仏カップルのケンカで困った問題は、日本人の奥さんが「気に食わないことがあると、無視、無言を通す」というもの。
何も言わないことで、相手に「私は不機嫌である」という意思表示をしている、日本人独特のよくある方法だと思います。
これは、フランス人旦那にとってお手上げな状況です。話し合って誤解をとくこともできないからです。
私は、この「無視、無言」を通すのはとうてい無理です 。めんどうだし、苦痛で仕方がないからです。だから、私が腹を立てた場合、とことん「なんで私は腹を立てたのか」をはっきり言います。
フランス人の旦那も、それに応戦します。そして、ものすごい言い合いになります。こうしてその都度、良くわからない相手のことが少し分かるようになるのです。
Text/中村綾花
初出:2015.04.12
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