夫婦のルール「話さないと何も始まらない」
日本に帰ったときに、久々に学生時代の元同級生らに合って話をすると、とんでもなく驚くべき事実を知ることがあります。
ある既婚者の友人K子は、私たち同級生の中で誰よりも先に結婚をしました。しかも略奪愛で、彼と付き合っているときは、私と遊んでいる時でも彼から電話がかかって来たら、すぐに返答。まるで子猫のように変貌して話していたのには驚きました。まさに彼にべったり、という感じ。
あまりにも依存し過ぎじゃないかな?とは感じていたけれど、はたから見る他人と、本人たちがどう感じているのかは違うもの。そう時間をまたずに彼女はその彼と結婚しました。
それからはや10年。K子は誰よりも結婚歴が長いので、旦那さんとはさぞ仲良くやっているんだろうと思って近況を聞いてみると、なんだか肝心な夫婦のコミュニケーションがとれていないようなのです。
彼女から聞いた結婚生活の具体例は、結構なまなましいので、ここでは語りませんが、あれこれ聞いてみても「え?そんなことも夫婦間で話し合っていないの?」ということがたくさんあったのです。
これは私にとって、ショッキングな出来事でした。しかしどうも、彼女のように肝心なことを旦那と面と向かって話し合っていない夫婦って、日本では意外と多いことが分かってきました。家族だからこそ、言いづらいとか、話し合いづらいとか、なんだか妙な空気があるようなのです。
一方、外国人どうしのカップルの我が家は、結婚3年目を迎えようとしているのに、彼女夫婦よりも、お互いに知っていることや、ケンカしている数、そして、とことん話あった回数は圧倒的に多いと感じます。もちろん、ケンカをしないにこしたことはありませんが、やはり他人同士、意見が食い違うことも当然あるし、ぶつかることがあるのです。
そんな時、特に私たち夫婦は「話さないと何も始まらない」という意識があります。結婚する前にも、「何があっても話し合う」ことを決めたくらいです。だから、ケンカしても、納得するまでとことん話します。もちろん、感情をひと冷ましする時間をおいてからですが…。
こういう夫婦なので、私たちは毎日、今日は機嫌がいいのか悪いのか?その理由はなんでか?そういうことを敏感に感じ合うし、言葉で伝え合うのが日常になっています。
これが私にとっても、彼にとっても心地がよい同居環境なのです。でも、この心地よさを私が日本人男性と分かち合えたかというと、難しかったと思います。
- 1
- 2