一時の安心は諸刃の剣、解消しない不安は大きくなる

浮気をしたこと、嘘をついたこと、全て彼が悪い。
何も疑わずに信じていたあなたからしてみたら、彼に対する信用は地に落ちたでしょう。
パートナーであるあなたには、怒る権利があります。

ただ、ひとつ忘れてはいけないのは、浮気をした彼、信用を裏切った彼とこれからも付き合っていくと決めたのは自分だということ。
そう決めたからには彼を責めてはいけない、何かにつけて疑ってはいけない、束縛してはいけないと言っているわけではありませんよ。
浮気をした彼と今後も付き合っていく覚悟をした過去の自分を蔑ろにするような行動は、あなたの本意ではないかな? と思うのです。

何をお伝えしたいのかというと、まずGPSをつける行為について。
最近では、仲の良い友達数人でそういったアプリを登録し、「今日の夜暇だな、誰か近くで飲んでないかな?」「あっ近くにいるじゃん。連絡してみよっと」といった使い方をしている人が増えているようです。
これをどう思うかは人それぞれですから、その善し悪しについてはさておき、一種のコミュニケーションツールとしての使用方法でしょう。
あなたの場合は、コミュニケーションツールとしてではなく、彼の行動を監視するために使用していますよね。
それが安心材料になっているとあなたは言っていますが、わたしには常に不安と隣り合わせにしか見えないのです。
彼と別々に過ごしているときにGPSをチェックして、それが職場なり事前にあなたに伝えていた通りの場所なり言動に齟齬がなければ、たしかに安心材料のひとつになるとは思います。
でも、たとえ浮気をしていなかったとしても、彼がちょっとでもあなたの知らない場所や疑わしい場所にいることがGPSからわかってしまうと、不安が大きくなってしまいませんか?
彼を問い詰めず、黙って見過ごすことができますか?
「今日はどこに行っていたの? 何して過ごしていたの?」「どうしてあそこにいたの? そんなこと一言も言ってなかったよね?」と追及せずにはいられないのではないでしょうか。

彼が頻繁に女性とLINEをしている様子をあなたが知っていることについても、同じことが言えます。
スマホを触る頻度から察した部分はあるのでしょうが、「たわいもない内容や相談」と書かれているようにあなたがその内容を知っているということは、彼のスマホを見ているからだと推察できます。
人のスマホを見て、いいことはひとつもありません。
結果的に彼が以前の浮気と同じような状況に陥っている事実を知れたのかもしれませんが……。

でも、たとえそこに疑わしいものがなくても、何かあるまで探してしまいますし、大した内容ではなくても勝手に勘ぐってどんどん悪い妄想が広がっていくものなのです。

GPSによる監視も、スマホのチェックにも、その先に望んでいるゴールはありません。
「GPSをチェックして何もなかった」「スマホを確認して何もなかった」という一時の安心は諸刃の剣で、むしろ解消しようのない不安が肥大する可能性を常に孕んでいます。
自分がつらくなってしまうであろう行動に縛られているあなたのことが、わたしはとても心配です。

重ねてになりますが、彼のやったことは、あなたの信用を裏切り、あなたの心を傷つけた最低の行いだと思います。
あなたの「やましいことがあるから嘘をつくんでしょう」という気持ちも、もちろん理解しています。
その前提でお話しをしますが、人はたとえやましいことがなくても、面倒くさいという理由だけで嘘をつくことがあります。
これは決して彼を擁護しているわけではなく、人間の心理的な観点での考察です。
過去の自分の行いによっていつまでも信用を取り戻せなくても仕方がないとしても、常に行動を監視され、常に疑われ続けていると、ない腹を探られる状況に陥るのが億劫になってつい逃げてしまったり、目先の面倒事を回避するためにその場しのぎで嘘をついてしまったり。
もちろん、褒められる行動ではないんですけれどね。
彼が浮気をした→信じられなくなったあなたはGPSで監視をする→その状況がしんどくて彼は隠し事をする→そんな姿からますますあなたは疑いの目を強くする→彼があなたと一緒に過ごすことに苦痛を感じる……といった悪循環に陥りやすいのではないのでしょか。
この負のループは、彼の浮気が発覚してもなお付き合い続けると決めた、かつてあなたが望んでいた未来ではないんじゃないかな? と思うのです。