中目黒にて、デート当日
私「(なんで中目黒なんだ…)」
そう、「中目黒の行きたいお店がちょうどあるんだよ、日本酒は飲める?」と強く提案されていたのである。いまや住みたい街トップ3に入るあの中目黒…桜の季節になると大混雑になるあの中目黒…。
一体どんなお店に連れて行かれるのだろう…とドキドキしながら駅改札前で待ち合わせる。
長野「行きたいお店が19時に予約してあるから、ちょっとそれまで1件寄って良いかな?」
私「はっはいぃ!」
連れて行かれた卓球バーで30分ほどお酒を飲みながら卓球をするなどして、いよいよ本命の長野さんが行きたかったお店とやらへGOする。
長野「ここだよ、この2階!」
私「(こ、これは……これは完全に高いお店のオーラがする…)」
店内に入り、カウンター席に座るやいなや、すでに何かが用意されていた。
そう、コース。フルコース。和食のフルコースである。それも、先日散々絶滅危機で騒がれていた「うなぎ」である。
これが一体1人いくらなのか、貧乏人である私にはもはや予想もつかない。場合によっては身体を許さなければいけないのかもしれない…などと若干ここで不安を感じた。
不安を感じながらガクガクに震えていると、早速店主にお酒の紹介をされる。
店主「こちらは『玉川 山田錦』と、Jensen’s Ginのペリエ割りです」
私「ににに日本酒とジンのブレンドとは!?」
斬新な日本酒の飲み方に驚いていると間もなくして料理の一品目が運ばれてきました。
一品目:烏賊昆布〆と焼き茄子
人生で初めて茄子を食べました。
茄子嫌いであるのは、子供のころ出された焼きナスのビジュアルがグロテスクだったからです。初めての茄子の感想は「味がない」です。
二品目:九絵・平政 お造り(十旭日 五百万石 19BY)
今回ダントツで美味しかったです。
三品目:鰻 酒焼き(右上は花巴 ひとごこち 26BY)
日本酒が強すぎて全然飲みきれず増えてゆく盃たち。
酒もまぁまぁ進み、腹もいい感じに贅沢に満たされてゆく中、会話も弾んでいった。
「(手相口説きテクニックと同じニオイがするぞ…)」
と思いつつ、逆にやりづらさを感じて余計に動揺し、目線が泳ぐ私であった。