尽くす女は自分の器を大きく見せたいだけ
紫原 でも、そうすると逆に男の子が女の子に甘え過ぎちゃったり、女の子が過剰に搾取されたりするようなことってないですか?
下田 確かに、男の子にいいように扱われてる女の子はいます。でもそういう子って、好意を示してるんじゃなくて、尽くしてるんです。しかも、お金をあげたり、何かをやってあげることが好きだからじゃなくて、「自分の器のでかさ」のように思わせたがったりする生意気さがある。それって相手のためというよりは自分のためですよね。
紫原 鋭い!言われてみれば、好意を示すことと尽くすことって違いますね。
下田 そうなんです。私はこれまで付き合ってきた彼氏ほぼ全員にプロポーズされてきたけど、彼らのために料理を作ったこともないし、部屋を掃除したこともない。何かをしてあげたりしないです。だけど彼の方にも、何かをしてほしいと思わない。
紫原 じゃあ美咲さんはどういうときに「嬉しい」を言うんですか?
下田 彼が自分と一緒にいてくれるから嬉しい、今日も自分のことを好きでいてくれるから嬉しい、それだけですね。歴代の元彼の中には家をくれた人もいますけど、何をくれるかなんてどうでもいいことで、私のために何かをしようと考えてくれることが嬉しいんです。
紫原 家ですか!!ちょっと欲しいですけどね……。
下田 それに、実際のところ尽くしたからって相手が喜ぶかどうかわからないじゃないですか。私自身、相手に嫌なことをされてもやめてほしいって言えないタイプだから、相手も同じかもしれない。良かれと思って尽くしても相手はそれを望んでないかもしれない。そう考えて、余計な手出しをすることを控えますね。
紫原 なるほど。ちなみに美咲さんご自身も、これまでの恋愛の中で過剰に搾取されたとか、何かを失ったといった思いを持ったことは一度もないですか?
下田 ないですね。もともと何も持ってないですから。
紫原 かっこいい!ただ、例えば、口説いてきた男の子にOKを出すと、女の子は自分が許可を与えた、という気持ちになりますよね。男女関係ってそういうところから、与えた/奪われた、勝った/負けたというようなパワーゲームになりがちじゃないですか?
下田 私は、口説いてきた男の子と性行為をしたら“気持ちいいことしてくれた”と思いますね。だってどっちかというと向こうが頑張ってるし(笑)。私はなんなら何もしないですしね。
紫原 そうなんですね、何となく積極的なイメージがあったので意外でした。
下田 よく女性向けに床上手になる方法なんかの指南書がありますよね。だけど私、基本は彼のものを触りもしないし、見もしない、というくらい何もしないんです。それでも、聞き上手というか、リアクション上手を心がけていれば、男の子は喜んでくれますよ。
紫原 なるほど!そこもやっぱり、尽くすことと愛情を伝えることが違うということなんですね。