したい話をしたい人としたい場所で

何故かわからないけど、向いてない場所にばっかり行っちゃう季節がある。消化不良の飲み会が続けば続くほど、次は、次こそきっと楽しいはずって出かけてしまう。うまくいかないのが寂しくて、寂しいからこそ出かけがちになって、なのに結局居心地が悪い。私も荒れに荒れました。クソみたいに飲んで、クソみたいな思いして、なのにまた傷つくってわかってる飲み会に行ってしまう。そういう時は、とにかく一回出かけるのをやめることだ。冬眠してればそのうち季節は変わるから、一度自分の中に閉じこもってみてほしい。そして考えてみてほしい。自分は何に興味があるのか。どんな人に出会いたいのか。どんな人たちに面白いと思われたいのか。自分の好きなものは? これについてならいつまでも喋れるって事柄は何?

自分がわかると、欲望がはっきりする。何を話したいかがわかると、口数は増える。結果的に存在感が増す。「おもしれー女」一丁上がりだ。

不思議だけど、そうなっちゃえば誰がチヤホヤされるとかじゃなく、普通に楽しく酒を飲める。会話も生まれる。好きなことを楽しく話していると、モテっていう棚ぼたも起きる。

んな馬鹿な〜って思うかな? だけど意外とそんなもんなのだ。水が合わないと魚が死ぬのと同じように、人間も住み良い環境にいないと気体化される。環境が良くなればフクフクする。魚とうちらが違うのは、誰も水を変えてくれないってことなので、息しづらいなら水変えよ? そうして健やかなビールを飲めますように。

「長井短の内緒にしといて」が書籍化!

舞台やテレビドラマ、映画、ラジオ、雑誌、バラエティ番組など幅広く活躍する長井短さんの本連載が書籍化

恋愛、モテ、マウンティング等のテーマについて綴ったコラムはもちろん、単行本の特別企画として完全撮り下ろし写真、ページを切り取って作る「ミニ本」、なつかしのプロフィール帳なども用意されている楽しい一冊です。