あれはまだ産前のこと、女友達たちとランチ会という名の昼飲みをしていました。さんざん飲み、日も暮れて夕方。そろそろ解散しようかというタイミングになって、久しぶりに会った子持ちの女友達がこう言ったのです。「今日は楽しかった。飲みの話があったら、またぜひ声を掛けてほしい。必ず参加できるとは限らないけど、誘ってくれたら、出やすいから」と。
育児中の彼女がひとりで外出する際には、夫に子守りの打診が必須であることを考えると、わざわざ自分から人を飲みに誘ったり、飲み会を開く気にはなかなかなれないという。けれども誘われたというのであれば、「せっかく誘ってもらったから」という心持ちで、「飲みに誘われちゃった。子どもの世話ヨロ!」と夫に振れるそうで、ゆえにこちらから声を掛けてほしいというのです。
それまで“子持ちの女性が外に飲みに行く心理的ハードルの高さ”というものを考えたこともなかったし、むしろ子育てで大変だろうに、飲みに誘っては迷惑なのではないかとさえ考えていたわたしは、「なるほど、そういうものなのか」と理解するとともに、その後は、定期的に彼女を飲みに誘うことにした次第です。
その印象が強くあったので、いざ自分が出産を経て、女友達との飲みを復活させようと思ったときにまずしたのは、自分から「飲みに行こう」と積極的に声を掛けること。そして「女子会とか、飲みの会があったら誘って」と、女友達たちに“飲む意思”があることを表明することでした。そのおかげですっかり元通り……とまではいかないけれども(なぜなら産前はほぼ毎晩、飲み歩いていた)、いまは不満がないレベルで女友達と飲みに行けています。
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