かわいいだけを求められた時代に…「ユーモアがあってタフ」な女たちが活躍する最高の映画

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女の敵は女。女同士はドロドロしている。そういうのよく言いますよね。じゃあ逆ってどうなんでしょう?

女の味方は女。そう、敵になるよりは味方になることの方が圧倒的に多いでしょう。同性だから分かる気持ちや苦労は山のようにあります。

でも別に、すべての女同士が同じ性別ってだけで出会い頭に心の友になれたりはしないですよね。

世の中にはいろんなタイプの女がいるんだから。噛み合わなかったりぶつかって当たり前だし、だからこそ心を通わせる意味がある。

そんな大前提の元に今回は「どきっ☆女だらけの女サイコー映画」をご紹介したいと思います。

「かわいい」以外の魅力たっぷりの女たち

アメリカで記録に残るスマッシュヒットを叩き出しシリーズ化もした『ピッチ・パーフェクト』は、音楽に情熱を燃やす大学生たちの喜怒哀楽がぜんぶ詰まった(「楽」多め!)青春映画です。

キャンパスをどこか醒めた表情で歩くベッカは、華奢な体に本格的なミキサーセットを持ち歩き、将来は音楽プロデューサーを目指している新入生。父親に言われてしぶしぶ大学へ通うことになった彼女を勧誘してきたのは、同じ音楽好きではあっても完全に畑違いのアカペラサークル「ベラーズ」でした。

いつも同じ曲と振付、コスチューム。歌とルックスを重視する保守的な女子チームのベラーズも、超がつくほど不名誉なある出来事をきっかけにすっかり落ち目に。この際歌えりゃ誰でもいい! と集められた超個性的なメンバーと復活を果たしたい上級生、そして斜に構えたベッカの化学反応とは……?

この映画の一番の魅力は……いくつもある!と言いたくなってしまうのですが、「女の子」という既成の枠組みには到底収まらない生き生きと個性的なメンバーは間違いなくそのひとつ。キレイや可愛いだけじゃない、ユーモアがあって獰猛で下品でエナジーいっぱいの愛すべきキャラクターたちです。ヒステリックなリーダーのオーブリー、フレンドリーでアカペラ愛の強いクロエ、セックス大好きステイシーなど。それからなんといってもエイミーのキャラは初登場から強烈です。

「あたしはファット・エイミー」

「自分のことをファット(太っちょ)って呼んでるの?」

「そうだよ。小枝みたいな女に陰口言われないようにね」

ダイナマイトなボディにダイナマイトな自信を持つ彼女の破天荒ぶりは常に楽しく、最後のステージを前に「あんたたちって最高。見た目はこんなに細いけど心は太ってるよ」なんて台詞はクスっとさせつつも含蓄ある言葉です。

仲間と一緒にいることの醍醐味は、比べあい競いあうことよりも、相手の中に自分を見つけ、自分の中に相手を匿うこと。

そうしてバラバラだったメンバーがまとまっていくところは、青春映画の醍醐味ですね。

音楽映画として数々の名曲をアレンジしたアカペラも見ごたえたっぷりで、ライバルの男子チームもめちゃくちゃカッコいい。大学生のときアカペラやっとけばよかったなと真剣に後悔したほどです。

抜群の歌唱力を持つ主演のアナ・ケンドリックはこのシリーズの成功もあって今ではハリウッドを代表するミュージカル/音楽映画俳優と言えるでしょう。シニカルなのにキュートなベッカは当たり役です。

とにかく観終えたら「女が優勝!!!!」とブチ上がること間違いなし、まさに最高のステージを観た後のような映画です。

せっかく配信で観るなら歌ったり踊ったりしてしまいましょう。なんなら誰か私と一緒にアカペラサークルやりません???