- Bさん
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周りで妊娠中からセックスレスになってそのままという夫婦が多いんですが、結婚していてもセックスしていていないとギスギスしている感じがある気がします。
抱かれてないなっていう女性はやっぱりギスギスする。
- 湯山
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あららら、みんなを敵にまわしたよ(笑)!
ちょっと、皆さんも周りの男性に聞いてみてほしいんだけど、男性って女性を尊敬すると勃たなくなるという面があるんですよ。
女性は尊敬している相手に恋愛感情を持つことは当たり前だけど、その心理モードが男性にはないんですよ。
自分より出世し、収入がある女性に対し、男性はほぼ恋愛感情を持たない。持つとしたら、女が男を立たせる”弱み”を演出しなければならないんですよ。その話はさておき、夫婦間のセックスレスも、「母となった、妻を尊敬してしまった」、だから、欲情しない、という回路は存在すると思いますよ。
奥さんを軽蔑するから勃たなくなるんじゃなくて、尊敬するから勃たなくなる。これは辛いよね。
- Bさん
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それって、旦那さんから女として見られないようにしているんじゃないかと思うほど、服装やメイクに気を遣わない女性が多いんじゃないでしょうか。
私は旦那さんにも女性としてみてもらえると嬉しくて、ニコニコして家事ができるから、できる限り努力しています。
- 湯山
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ハリウッド恋愛映画の刷り込みね(笑)。しかし、問題は「飽きる」という人間の心だよなぁ。
夫婦のセックスレスの危機を乗り越えるために、日本はどうしても自然に任せてしまうけれど、欧米は様々な対処法を施します。
刺激ということならば、スワッピング(編集部註:複数のカップルがお互いのパートナーを取り替えて行う集団的性行為のこと)は、日常のボランティアレベルで行われていることが、「サタデーナイトライヴ」のようなコメディー番組のネタにもなっています。日本の場合は、外出しでしょうね。不倫は「バレなきゃ良い」というのが、リアルにセックスレス夫婦の本心だったり。
不倫まで行かなくとも、恋心や女としてチヤホヤしてみられたいという気持ちは外で、旦那は肌と肌とのふれ合い的なエクササイズとして努力してやり続ける。というのは、どうなのかな? セックスは何も挿入することだけではない。
特に夫婦間で抱き合うことができる関係というのは、色々ツラいことがある人生の中で、ものすごいセーフティーゾーンだと思います、なんなら猫でもいいって話でもある。
一同:(笑)。
- 湯山
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動物学者の本で読んだけど、ほ乳類全般は、肌と肌の触れ合い、スキンシップで癒やされるんですと。
そういう意味では、人間はそういう関係を何としてでも持った方がいい、そこに毎回の努力が入らないという点で、結婚はメリットがあるとも思います。
ちなみに、今のペットブームにはセックスレスの解消という側面もあると思いますよ。とまぁ結婚の良し悪しはそれぞれで、むしろデメリットを挙げようと思えばたくさんある。キリスト教では結婚を「修行」と言ったりします。
他人とはもともと相容れないものなんだけどそれを離れる理由にしないで、むしろ乗り越えてより深い関係になっていくことを目指す。確かにそういう側面はあるのだけれど、恐ろしいのが、このロジック、学校でも組織でも、「我慢の先には、人間の成長と乗り越えていく喜びがある」という、忍耐上等精神と同様なこと。信じるか信じないかはあなた次第です、っていうことになっちゃいます(笑)。
【次回に続きます】
湯山玲子(ゆやま・れいこ)
著述家、ディレクター。日本大学芸術学部文芸学科非常勤講師。自らが寿司を握るユニット「美人寿司」、クラシックを爆音で聴く「爆音クラシック(通称・爆クラ)」を主宰するなど多彩に活動。現場主義をモットーに、クラブカルチャー、映画、音楽、食、ファッションなど、カルチャー界全般を牽引する。
著書に『クラブカルチャー』(毎日新聞社)、『四十路越え!』(角川文庫)、『女装する女』(新潮新書)、『女ひとり寿司』(幻冬舎文庫)、『ベルばら手帖』(マガジンハウス)、『快楽上等!』(上野千鶴子さんとの共著。幻冬舎)、『『文化系女子という生き方「ポスト恋愛時代宣言」!』(大和書房)、『男をこじらせる前に 男がリアルにツラい時代の処方箋』(KADOKAWA)など。
Text/皆本類
※2015年4月23日に「SOLO」で掲載しました