自分を気にかけてくれる人がいることの有り難さ
以前、大マスターと話をしていた時のこと。「昔からこの辺りの人たちはみんな助け合って暮らしている。最近では高層マンションがどんどん出来てきて、近くに住んでいたおばあちゃんがそこへ引越し、億劫になってしまったのかなかなか外で見かけることがなくなってしまった。一軒家に住んでいた時は、顔見知りゆえに玄関を開けて様子を伺えたけれど、マンションになってしまってからセキュリティの関係などもあって見に行けないから心配している」という話が印象的でした。
時の流れと共に、色々なことが意図せぬ方向へ動いたり、好まぬ事態に遭遇したりすることは悲しいことですが、どうにもならないことでもあります。
だからこそ、ふらりと行ける純喫茶があって、自分のことを気に掛けてくれる人がいるというのはどんなに素敵なことだろう、と思いました。
大マスターとのお話から「共存していくこと」の大切さを教えてもらったような気がしました。
眺めの良い部屋に引っ越してしまった方たちも、たまには「ライフ」を訪れて、かつてと同じように地域の人たちと雑談する時間を楽しまれることを想像して。
本日はどこかで見かけた笹へ願い事を1つした後に、純喫茶へお出掛けするのはいかがでしょうか? 純喫茶を営む皆さまと純喫茶を愛する皆さまの願い事が叶いますように。
Text/難波里奈
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※2017年7月7日に「SOLO」で掲載しました
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