皆さまは、日帰り旅行をされることはありますか?
宿泊するより慌ただしいのはたしかですが、思い立った時にすぐに出掛けることができ、かつ荷物が少ないので手軽なところがおすすめです。
急な休みができたら、ふらりと出掛けたい場所として浮かぶのは、熱海か江の島です。
熱海は一見遠いように感じますが、東京駅から新幹線に乗ってしまえば“こだま”でも片道40分ほど。窓の外を眺めたり、今日はどこへ行こうかと考えているうちにあっという間に到着してしまいます。
つい先日も趣味の合う旧くからの友人と、よく晴れたあたたかな日曜日に熱海へ出掛けてきました。
テーマは「日帰り逃避行」。私はいつも通りの身軽な格好でしたが、新幹線のホームで待ち合わせた友人は、レトロな柄のワンピースにトレンチコートを羽織り、大きな旅行鞄を持っていたので、なんだか長い旅に出掛けるかのようで気分も盛り上がりました。
事前に作った旅のしおりを眺めながら、あれこれ話しているうちに海が見えてきて、いつもより気持ちもふわりと浮き立ちます。
旅先で真っ先にするのは、近くの純喫茶でひと休みしながらその日の計画を練ること。昼食はどこで食べよう、純喫茶は何軒巡れるかしら、あのクラシックのシャンデリアの下で写真を撮ろう……。地元の人たちも入り混じった純喫茶で珈琲を飲みながら、はやる気持ちを落ち着かせます。
さてこの日は、レストラン フルヤ(昼食)→ ホテル ニューアカオ(見学)→ 純喫茶 田園 → 純喫茶 くろんぼ、というコースを巡りました。
訪れたいところはたくさんありますが、旅は少し名残惜しいくらいがきっとちょうど良いのでしょう。
日が暮れてきて、でもまだ帰りたくない気持ちでソワソワしはじめた頃に訪れたのは、1冊目の書籍『純喫茶コレクション』からお世話になっている「くろんぼ」。
特徴的なイラストに点る灯りに営業を確認してほっとし、地下への階段をするすると。
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