まるで超高級レストランのような体験
>ミュンヒ
この店が個性的である箇所を7つ挙げますと…。
①マスターの若い頃のブロマイドをプレゼントされる(大変男前です)
②マスターによる自作の詩の朗読あり(16歳の頃から書き溜めているとのこと)
③店内で使用されている食器は全て驚くほどの高級品(お冷のグラスも数万円以上するバカラ)
④店名の由来にもなったドイツの高級バイクが店内に展示されている。(日本に1台しかない)
⑤メニューはあるものの、初回訪問時はマスターのお薦めを提供される。(種類が多すぎるため)
⑥入店から退店まで平均数時間かかる。(終電を過ぎ、マスターに車で送迎された方の話も)
>ミュンヒ
そして、なんといっても
⑦珈琲一杯の値段は10万円、提供されるのはマイセンの図録にも掲載された金色にまばゆく光る500万円のコーヒーカップ、スプーン一杯の味見価格は2000円
に尽きるのではないでしょうか。
樽で何十年も寝かされた珈琲は、マスター曰く「アルコールが入っていないのに酔える珈琲」。一滴ずつ注がれるその珈琲は高級なワインのようでうっとりする香りです。訪れる人たちは事前に情報を入手しているのか、色々と驚きはするものの貴重な体験が出来たという気持ちで笑顔のまま帰られるということ。
実際、私もそうでした。訪問から年月が経っても誰かにこちらでの体験を話す時はいつも楽しい気持ちになります。
インパクトの強さばかりが話題になるのはやむを得ませんが、珈琲もこちらでしか味わえない特別なもの。いつも飲んでいる珈琲とは全く違った飲み物として楽しまれるのはいかがでしょうか?
Text/難波里奈
難波里奈『純喫茶へ、1000軒』
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※2016年1月8日に「SOLO」で掲載しました
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