
先日、女友達と関西旅行に行く機会がありました。旅行に行くといっても、それぞれ仕事の都合があったので現地集合。わたしはちょうどマイルが溜まっていたので、それを使って伊丹空港から単身で関西入りしました。みんなでワイワイと酒を飲みながら移動するのも楽しいけれども、ひとりだと自分の都合のいい時間とルートを選べるというメリットがある。
そもそもわたしは一人旅が好きなのですが、ひとりで旅行をすると必然的にすべての行動が「おひとりさま」になる。移動するのもひとり、観光地を巡るのもひとり、プールサイドでもひとり、酒を飲むのもひとり。ひとりでいたとて別にさみしくはないけれど、ひとつ困ることがあるとすれば、ご飯です。胃袋が増えれば増えるほど、複数のメニューをオーダーできるけど、胃袋ひとつでは一品か二品が限界。火鍋やサムギョプサルといったボリューミーなメニューはそもそもから諦めざるをえない。
帝国ホテルのバイキングにおひとりさま
ところで先日、帝国ホテルのバイキングに行く機会がありました。日本で初めてバイキング形式の提供をしたという格式あるバイキング。今どきだいたいビュッフェと呼ぶのに、あえてバイキングと名乗り続けている老舗!
当然のこと、客の年齢層がめちゃ高いのは、まぁそうだろうなって感じなんですが、驚いたのはおひとりさまのおばあ様がいたことです。ひとりで帝国ホテルのバイキングに来るっておひとりさまの最高峰すぎないか。ひとつしかない胃袋でも多種多様なメニューを食べられるということで、賢い選択ともいえるけれど、どういう日に「今日はひとりで帝国ホテルのバイキングに行こうかな」と思うのか。誕生日? 大きな仕事がまとまった日? ボーナスがでた日? それとも……と思いを寄せつつ同行者に「おひとりさまの人がいる。すげぇ!」と耳打ちしたところ「たぶんね、目の前に亡くなった夫の姿が見えてるんだよ」と怖いことをいわれてギャーとなった。
ひとりでストリップを観て…
ということを、先日、最愛の旦那さまを失くしてしまった女友達に話したところ、「あのね、わたしこの間、ひとりでストリップを観に行ったんだけど、踊り子さんのショーを観ていたら脳イキしちゃったの! たぶんあの時、夫が降臨してたと思うのよね!」ってそこにもいらっしゃったか! それでセルフ脳イキまで……しかし考え方によってはセルフ脳イキって、ある意味でおひとりさまの最高峰ではないか。いや、夫が天から降臨しているなら、おひとりさまではないのか。どっちなの。
Text/大泉りか