「今の自分もそう悪くはないかもな」どうしようもない自分という存在を許していきたい

あなたの自己肯定感は高いですか?

突然ですが、皆さんは自己肯定感が高いほうですか?低いほうですか?

おそらく、この回答に「はい!」と元気に回答できる方はそう多くはないと思います。なぜなら、今この文章を読んでくれている方はおそらく何らかの形で私の文章を読んだことがあり、かつ「自己肯定感」というトピックに少なからず興味があると想像できるので……。

そんな単純な理由で勝手に読者を想定しながら話を進めますが、現代社会において自己肯定感が高い人って一般的にもそう多くはないのではないでしょうか。

インターネットを眺めていると、自分の上位互換的存在はいくらでもいる。「学歴がないとだめ」「女は顔」「男は年収600万以上ないと」「BMI18以上は太っている」「結婚してない奴は終わってる」「20代でこれくらいの貯金がないと」など、自分の属性を過剰に否定し不安を覚えさせる意見なんて探せばいくらでもあり、その顔の見えない(そして、一生関わることのない)人の意見にいくらか傷つけられた経験は誰にだってあったと思います。

あらめて「自己肯定感」という言葉についてほぼWikipediaから調べてみると、定義に関してはいまだ検討の余地があるそうですが、基本的には「自尊心」と同等の概念を持ち、その「自尊心」を社会心理学的に表現すると「ありのままの自分を受け入れる感覚」なんだそうです。

ちなみに、「自己肯定感」という概念が提唱されたのは1994年と最近のことで、当初は子どもの発達や成長、教育に関して使われていたようです。まあ、小中高生の自殺率も昨年過去最多という報道もあったし、自分の学生時代だって楽しかった記憶よりも苦しくて仕方なかった当時の感覚のほうがより鮮明に思い出せる。日本の子どもは他の国の子どもと比較すると、自己評価が低いそうだ。それは、毎週10人前後の中高生が自死を選ぶ実態や、自分の過去を振り返っても納得できる結果ではある。

「自己肯定感」の意味が変わり始めている

話を戻そう。私はもう大人なので。そして、ここ近年の「自己肯定感」という言葉は、また別の意味合いを持ち始めているようにも感じる。

先日、「あなたって自己肯定感が高そうですよね。僕は自分に自信がなくて、自己肯定感が低いから羨ましい」と、親しくもない男から言われてイラっとしたときのことを振り返りたい。

関係性と場の空気を鑑みるとここで反論するのは避けたほうがよく、適当に流してしまったのですが、内心残念に思っていた。周りが見えておらず、単純に想像力がない人なんだと思うと、これ以上議論を展開する意義もないとすら感じた。

私、「自己肯定感が低くて」とか平気で言ってくる人が嫌いなんですよ。発言者はこの言葉自体に大きな意味を持たせていないのでしょうが、予防線を張っている。それってずるいなと。前述したように自己肯定感が高いと自覚している人なんてそうはいないと思います。「そんなことないでしょ」と思った方もいるかもしれませんが、それは単純にそう見えているだけです。それにコミュニケーションを取るうえで自己肯定感の高低は不必要なのにね。別に関係ないじゃん。