「自分の性的な秘密を話したい」という欲望がある人は意外と多い

先日、旧知の友人たちと飲んだ時のことです。わたしは別の予定があって一時間ほど遅れて参加したのですが、到着して乾杯するなり、男性のひとりが「大泉さんにだけ、どうしても見てもらいたい画像がある」と隣の席に移動してきた。わたしに“だけ”見せたいとはどういうことか。どうせロクでもない画像であるに間違いないやれやれと、心の中でうっかり出てしまった村上春樹節を恥じらいつつ、スマホの画面に表示された画像をみたら今度は口から出てしまった。「やれやれ」と。やめてわたしにそんなセリフを言わせないで。

具体的な詳細は本人の名誉のために省くとして、なぜかわたしにはエロい話をしてもいいと信じて疑わないどころか、むしろ喜ぶであろうと思っている節のある人というのは男女構わずに一定数存在していて、別にわたしとしても他人様の下半身事情を聞くことは、ものすごく不快というわけでもないし、面白ければむしろ歓迎でもある場合もないではないのだけれども、疑問なのはなぜ彼はわたしにその破廉恥な画像を見せてきたのか。

彼が破廉恥画像を見せてきた理由

ひとつめの推測としては「情報のシェア」。ようするにわたしの職業を知った上で、「こんな場所があるんだよ」「こんなことができるんだよ」という情報提供のつもり。その親切心はありがたいけれども、今回のケースの場合、画像をいきなり見せるのではなく「こうこうこういうことがあって画像もあるんだけど見る?」という前置きがあったほうがさらに親切ではないか。

ふたつめの可能性としては「いきり」。俺ってこういうこともしちゃってるんだよね、というような自慢というか顕示欲の発露のようなもの。誰にでも話せるわけではないけれど、わたしならばこれまでの経歴および仕事の内容がおピンク&肌色であるので「引かれないだろうし、むしろ喜んでくれるのでは」と判断されてのこと。

まぁ確かにセクハラだとか騒ぐ気もなければ、不潔だけしからんなどと眉を顰めるつもりもないし、別に引きもしない……いや画像が生々しかったのでちょっとは引いたのですが、同時にもうひとつ思ったのは、エロい動画などを撮られてしまうと、知らない間に飲みの席で披露される可能性もあるということで、あー、やだやだ。