一番好きな旅先をどこかひとつ挙げるとすれば、断然にタイです。ご飯が美味しいし夜遊びもできるし、バンコクから少し足を伸ばせば海もある。最近は物価がそこそこあがってしまったけれども、それでもまだタクシーもホテルも安い。コロナ禍に突入する直前、最後に行ったのもタイでした。
タイに行くと必ずやるひとつが、ボーイズゴーゴーバーに足を運ぶことで、なかでもわたしの一番のお気に入りなのは、ガチムチ系男子専門のお店です。普通のボーイズゴーゴーでは細マッチョがメインですが、ここのお店はムキムキ肉団子系が多いのが特徴。客席をぐるりと囲むようにして筋トレのマシンが置いてあるので、筋トレに励んでいる姿を愛でつつ酒を飲むこともできる上に、毎晩決まった時間にショーがあってそれがまたよい。全裸水中バレエや、空中ブランコでアナルドッキングなどエクストリームすぎるショーをやっている他店に比べれば、わりとおとなしめではあるものの、ある時は、ダンサーが白ブリーフにテンガロンハットというかつてのハリウッド・ザ・コシショウスタイルでステージに登場し、「ザコシなの!?」と大笑いしたこともあれば、腰にヒョウ柄の腰巻だけを巻いたターザンスタイルのスリットからチラチラ見え隠れする男根に、連れ合いの女友達と顔を見合わせたこともある。
ようやくたどり着いた謎のマッサージ屋
さて話は変わりますが、いつのタイ旅行だったか忘れてしまったけれど、女友達との3人でバンコクに遊びにいったことがありました。ある夜、酔い覚ましにマッサージ屋に入ろうとしたら、ちょうどソンクラーンというタイの旧正月の時期で、地方から出稼ぎに来ている人たちの多くが故郷に帰ってしまっているとかで、なかなか3人で入れる店が見つからない。繁華街の中心地からどんどん離れていきながら、途方に暮れていたところ、ようやく一軒だけ、すぐに施術可能だという店にたどり着いた。
しかし、その時は足つぼの気分だったのだけど、どうしてかボディしか施術できないという謎の条件を出された。もう店を探すのにも疲れていたので、仕方なく妥協したところ、上部の空間だけ空いて繋がってはいるものの、壁できっちりと仕切られた個室にそれぞれ通されることに。通常のタイ式マッサージ店は、カーテンくらいの仕切りであることが多いので、なんとなく違和感を感じつつ渡されたタイパンツと前ボタンのコットンのシャツに着替えたところ、ボタンが半分ほど取れてしまっている。
隣の個室にいる女友達に「ちょ、シャツのボタン、めちゃくちゃ取れてるんだけど!」と報告したところひとりは「わたしも!」と言ったものの、もうひとりは「わたしのはついてるよ?」と返ってきて、まぁ雑な店なのねと納得したところで男性のマッサージ師が入ってきて施術がスタート……したはいいけど、なんか触るところが! 違う! どころか! コンドームを出してきて「OK!?」ってなになになにーーー!
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