魔都・マニラで救世主の登場か?

夫が日本に帰るのを待って、チケットを手配してもらうしかない……ともうすべてを諦めて、とにかく今夜のホテルだけ決めてしまおうと、タクシーに乗り、目星をつけたホテルに連れて行ってもらおうとしたところ、運転手が「観光かい?」と尋ねてきたのです。

「いや、本当は今日、日本に帰国する予定が飛行機に乗れず、しかも帰りのチケットもない」と拙い英語で愚痴ったところ、「俺の知っているホテルに行かないか。そこはエアポートホテルなので、明日の朝、空港まで連れていってくれる上に、一階には旅行代理店も入ってるから、明日のチケットを手配してくれる」という。ここは魔都・マニラ。ちょっとというかかなり怪しいのでは、と警戒心を抱いたものの、この状況を打破するには、賭けるしかないともいえる。ちょっと話に乗ってみるか! と決断して運転手の話に乗った結果、マジで一階に旅行代理店が入っているホテルに連れていってくれ、ネットで見つけた最低価格と同価格くらいの翌朝のフライトのチケットを二枚押さえることに成功したのです。

チケットと今夜の宿さえ確保してしまえば、もう一安心! 最後の夜だ! 盛り上がってやるぞ!!! とその夜は、息子とともに韓国焼肉食べ放題にくりだし、翌朝無事に飛行機に乗れて帰国することができたのですが、それにしても、なぜ本来の帰国日に搭乗できなかったのか。

なぜ飛行機に乗れなかったのか

とにかく納得がいなかったので、日本に帰ってきてから、チケットを取るのに利用した旅行代理店に確認したところ、チケットは決済されているし問題なく有効だったという返答。ならばと航空会社に問い合わせたところ、やはりチケットは有効だが、あなたはチェックインの時間に遅れたので乗れなかった、という返答が。え? 一緒にカウンターに並んだ夫は乗れたのに? と尋ねても、そう処理されているの一点張り。

ひとつ心当たりがあるとすれば、フライト当日、ホテルを出る前に息子とわたしの分の座席指定をした。その座席指定した分の追加料金が決済できていなかったようなのです。けれども、そんなの普通はチェックイン時にカウンターでクレジット決済できるはず。考えられるのは、追加料金ではなく、チケット代そのものが決済されていないとグランドスタッフが勘違いして、わたしたちのチケットを発券せず、しかしミスだったことに後から気が付いて、こっそりとノーショーで処理したのではないかということ。航空会社のコールセンターの人には、LCCゆえに返金対応はないけれど、30日以内なら同価格以下のフライトチケットに変えられると説明されたけれど、帰国してしまった後にそれを言われても……。皆さま、海外旅行にお出掛けの際には、十分にご注意くださいませ。

Text/大泉りか