「すげぇ国に来てしまったかも」フィリピンの空港で受けたカルチャーショック

小学校一年生の息子とふたりでのフィリピン語学留学。これまでもふたりで国内外さんざん旅してきたので、出発前からそれほど不安はなかったのですが、しかし、わたしはフィリピンを完全に舐めていた。マニラの空港に到着して30分も経たないうちに、「うわぁ、すげぇ国に来てしまったかも……」と考えを改めることになりました。

今回の留学は、マニラの空港まで現地の送迎者が迎えにきてくれ、語学学校のあるバギオまで同行してくれるという、語学学校側の手厚いバックアップが用意されていました。普段、エアチケットとホテルを別々に自分で取るという自由旅行ばかりしている身からして、こんな楽な旅でいいの!?と思ったのもつかの間、両替所では4人しか並んでいないのにゆうに40分はかかるし、バスの中で食べようとバーガーキングでテイクアウトを頼んだら、これまた20分以上と、とにかく万事がスローペース。
おまけに空港の外に出るとタクシーは長蛇の列。送迎を担当してくれたフィリピン人女性(この人も実は英語の先生)がGrabで車を呼んだものの、一時間近く来ない。結局、空港を後にしたのは到着してゆうに2時間を過ぎた後。しかもそこからの大渋滞。バスターミナルまで5キロもないのに1時間近くかかる始末。道路の両わきには、幼子を抱えた物乞いの女性が、段ボールになにかのメッセージを書いたものを持って立っている。その前をクーラーの効いたタクシーでのろのろと通り過ぎていくのが、なんとも居心地が悪い。

マニラは2回目だけど、こんな感じだったっけ? 以前訪れたときは女友達と3人で「ボーイズゴーゴーバーで男のチンポ見まくったる!」と意気揚々だったから気が付かなかったのかもしれませんが、どうにかパサイのバスターミナルに着いたときにはヘロヘロ。ここからバギオまでの最短で5時間、最長9時間のロングドライブ。過酷~!

ロングドライブを乗り切るには

息子は車に乗ると、スイッチが切れたようにいつもすぐに寝てしまうのでいいとして、わたしもずっと起きているのはつらい。バスの中だと読書もできないし。酔って寝てしまうのがベストと思いバスターミナルでビールを探したものの、見当たらない。リュックの中には成田で買ったレモンサワーが2本だけ入っているけれども、そんなんじゃ事足りるわけもない。

しかし、出会ったばかりのティーチャーに、酒が買いたいと訴えるのも気が引ける上に、大荷物を抱えて子どもと一緒にコンビニまで行くのは100メートルの距離でもつらいと断念して、おとなしくバスに搭乗することにしたのでした。

案の定、息子はあっという間にわたしの膝に頭を乗せて寝てくれたものの、わたしはまったく眠れずにスマホでツイッターを見たりLINEをしたりとしていたのですが、あっという間に充電が心許なくなってしまった。バスのシートの下にはUSBのポートがあったけれど、これがまた電力が弱すぎてまったく充電できない。バタバタと何度も差し替えたりしているわたしに気が付いて、先生が携帯用バッテリーを貸してくれました。優しい。