「女」で悩むことはこの先も続く

前回の婦人科では自ら女性の先生を選んだのだが、今回男性の先生の診察を受けて、私にとって相手の性別は大切な要素ではないのかもと思う。例えば、前回の婦人科で最後に生理が来た日を答えられなかったのだが、女として失格の烙印を押されているような感覚になった。「自分の身体のことも知らないでよくここに来れましたね」と言われているようで。先生も看護師さんも余計な行動・会話を一切せずひたすらに検査を進め、それは患者が精神的苦痛を感じる時間の短縮になるのである意味で正しいのかもしれないが、私にとって前回の診察は他の女性と比較して遥かに劣っている自分を認識しなければいけない時間であり、とてもしんどかった。

単純に、私の不安に寄り添ってもらいながら「大丈夫ですよ」と言われたかっただけなのかもしれない。私の気持ちのコントロールに関しては、医師・看護師の業務内容に含まれない気がするが。病院の方針、先生の人柄などによって感じ方も変わってくるんだろうな。自分と相性のいい病院・先生を選べていれば、婦人科に対してこんなにマイナスな印象を持っていなかったのかもしれないと、今なら思う。

結局今も「これで病気じゃないならなんなの?」という量の不正出血は止まらず、毎日のようにだるい身体にむち打ちながら鎮痛剤を飲んで騙し騙し生活をしている。いつよくなるんだろう、これ。やっぱり不安だ、でも病気じゃないんだもんね。

「筋腫が心配なら、3カ月か半年後にまた検査を受けに来てください」と言われたが、多分行かないだろうな。今までさんざん「女を捨ててる」と言われてきたのに、私はいつ自分の性別を捨てられるんだろう。いつだって準備はできているのに、「女」の部分で悩み、落ち込み、苦しむことはきっとこの先も続くんだろうな。この腹痛と貧血、だるさから救われるのなら、すぐにだって女を辞めてやるのに。

それでも、私と私の性別と私の身体は決して引き剥がせない。上手い付き合い方がいまだにわからないでいる。

TEXT/あたそ