40年生きていれば、何かしら狂ってくる
40代までに結婚できないと人は狂うらしい。
本屋に行けば「20代のうちにやりたいこと」「30代で知っておきたい10のこと」「40代で後悔しないためには」とかいう本が世代別に必ず10冊くらいは豊富に置いてある。購入を検討したことも立ち読みをしたこともないのだが、この手の年齢で括った話も本も私は迷信と変わらないなと思っている。
たぶん、みんな焦っている。加齢とか周りと比較してどうとか、キャリアとか幸福とか、そういうことに対して。子どもの頃、想像していた大人になれたかというと中身は何も変わらないままだし、昇進に結婚・出産、家や車のローンと順調に人生のキャリアを積んで目に見える幸せを構築している周囲の人間と比較すると、どうして私はこんなにも惨めでどうしようもないのだろうと思うことが稀にある。
このままでいいんだろうか? もっとできることがあるんじゃないだろうか? 将来、後悔しないためにはどうしたらいいのだろうか? 年齢に見合った経験を本当に積めているのだろうか? そういう人が焦って、属性に括られた迷信を信じ、よくわからない自己啓発本を買う。キャリアや生活は改善できるけど、年齢だけは平等なので、刺さるんでしょうね。この世で40代って何人くらいいるんだよ。統計でも取ったのかよ。絶対自分とその周りの数人の話でしかないだろ。私は血液型占いとか星座別の運勢とか風水と変わらないと思っている。要は、あまり信じていないということなんですけど。
冒頭に戻る。40代で結婚できないと本当に狂うかどうかはわからない。私の実体験でいうと、既婚者も独身も同じくらいの確率で狂っている人に遭遇するし、仮に狂っている人が独身だとすると「ああ、パートナーも子どももいないから、寂しくておかしくなっちゃうんですね」と事実ではないにしても、短絡的に狂っていることと独身が紐づけられる。ちょっと怒ったらデリカシーのない男に「何?生理?(笑)」と言われたり、独身のお局が「だから結婚できないんだよ」と陰口を叩かれる構造と同じです。まあ、結婚する/しないに関わらず、40年以上生きていれば、人は何かしら狂ってくるでしょう。
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