「みんなと同じ」以外の選択肢

そういえば東京の女の子と会うと、なんだか嫌な目に随分とあっているなぁという印象をよく受ける。例えば、「髪を短くしただけで色々言われる」だとか「通りすがりの男性にちょっかいを出されがち」だとか「タクシーの運転手にバカにされる」だとか。
こういう話を聞いてもどこか他人事だったんだけど、なんとなくなんとなくわかったような気がする。

偶然にも私は今の仕事のおかげで大勢の人たちが一箇所に集まるような特定の場所(満員電車や会社の人間関係や飲み会など)で生きる必要がないため、彼女たちと同じ目にあっていないのだろう。

私が東京暮らしをこれまで何度もリタイアしたのはお金や生活力のせいだと思っていたけれど、多分そうじゃない。「みんなと同じ」になれないことに劣等感を抱いてしまう弱さだったり、組織で生きる術を持っていなかったり、多分そっちが主な原因だ。
そして、今比較的生きやすいのは、自分が自分らしくあれるように人や場所をちゃんと選ぶようになったからだ。

東京で暮らし始めて心が折れそうになる人も、実際に折れてしまった人もきっとたくさんいるだろう。
別に無理して東京で暮らす必要もないけど、地元じゃ見つけられなかった居場所が東京にならあることもある。ついつい大衆や強者ばかりが目につくから、それしか存在しないように感じるのだ。
「みんなと一緒」以外の選択肢がたくさんあるのが多分東京の良いところだ。目立たないかもしれないけどちゃんと探したら案外簡単に見つかる。

Text/oyumi