ニッポンの婚活ビジネス(元)最前線

「価値観」だけでのマッチングは、ヒトの本能を無視してないか?

昨日、あるネット系企業の方とお話ししていて出たこと。

その方は、競合?調査も兼ねて、あるネットの婚活サイトに登録してみたそうだ。
今はやりの、「価値観」でマッチングするというのが売りのサイト。

彼は30歳前後で既婚だが、独身を装って登録。相手の女性には、首都圏在住で、25歳程度痩せ型を希望した。もちろん、「価値観」を見極めるための数多くの質問にもまじめに答えた。

で、実際に紹介されてくるのは、たとえば大阪の、40歳前後の、ぽっちゃり型女性。もちろん、「価値観」は合っている、という理由でレコメンドしてくるそうだ。

彼は、「申し訳ないけど、連絡する気にもならない」。

まあ、既婚かどうかという論点は置いておいて、私は、これが素直なユーザーだと思うのです。

「条件じゃなくて、価値観」。わかりますよ、聞いててきれいですよね、とっても。

でも、「条件」で挙げているものこそ、人間の「感情」であり、「本能」だと思うのです。男性がたくさん子孫を残したいというDNAに基づけば若い女性を希望する。女性が、子育てのためには自分たちを庇護してくれる存在がほしいるので、男性に経済力を求める。どっちもどっちである。
一方で、「価値観」は、もっとレイヤーが上の欲求。むしろこっちが「理性」なんだと思う。

で、感情は理性よりずっと御し難くて、大きい存在である。「スイッチ!(早川書房)」にあるように、「象(感情)」と「象使い(理性)」と言われる所以。象である「感情」や「本能」は、怠け者で、気まぐれで、長期的な報酬よりも短期的な報酬に目を奪われる。その一方で、いったん方向が決まると突き進むだけのエネルギーを持つのも、また「感情」。

変革を働きかけるには、この象と象使い、両方のバランスを取らないといけない。婚活で言うなら、ある程度の条件はマッチさせた上での相性。あるいは、ひたすら条件だけにこだわってたくさん会ったうえでの、ほっとする相手。

もしネット系の婚活サイトが、感情と理性の両方に働きかけられるほどに進化するのなら、すごいことだと思います。でも、まだまだリアルのお見合いおばちゃんにはかなわないだろうなー。感情と理性はダイナミックに変動するし、インタラクションでも揺れ動くので、リアルの人が圧倒的に有利だと思う。

ではまた。



Last updated  2012年04月11日 00時10分34秒