認知科学者・苫米地英人さんインタビュー「ブスをやめたきゃとにかく自己評価をあげればいいだけ」【前編】

今回はブス格言・特別編として、認知科学者の苫米地英人さんにインタビューさせていただきました。

ブスをやめたきゃとにかく自己評価をあげればいいだけ

苫米地英人インタビュー
AM編集部(以下、AM)

ブスとはどんな人なのでしょうか?

苫米地英人(以下、苫米地)

ブスとは、コーチングの用語で言うとエフィカシーの低い人ね。

AM

エフィカシーとはどういう意味でしょうか?

苫米地

エフィカシーっていうのは自己の能力の自己評価のこと。簡単にいうと自己評価だね。エフィカシーが低い=自己評価が低い人です。だから、もちろん男だってブスはいるわけ。で、エフィカシーが低いっていうことをブスという風に理解していいです。

AM

エフィカシーを、自分で高めるためにはどうしたらいいですか?

苫米地

ブスじゃなくなればいい(笑)。

AM

ブスでなくなる方法はありますか?

苫米地

うん簡単。それは、ゴールの設定からね。ゴールのない人が、ブス。ゴールとは目標ってこと。それは高ければ高いほどいい。そもそも自己能力とは何の能力かっていうと、それはゴールを達成する能力です。だから、ゴールがないと意味がない。ゴールがないのにブスも何もあったものではない。自分の人生のゴールをまず設定して、私の人生のゴールまで行きつく能力が高いわ、と思う人が美人です。

AM

自己能力をあげるにはどうすればいいのでしょうか?

苫米地

これも簡単。自己評価を上げればいいだけ。自分の能力を上げるんじゃないんだよ、能力の自己評価を上げればいい。今どうかじゃないんだよ、未来にどうなりますかということ。だから、学校の成績が30点の人でも、能力が自分で高いと思えれば、充分だ。今は自分らしくないから30点なんだ、本来の自分はそうじゃないと思えばいい。そういう人はブスじゃない。自己評価は誰でもすぐに上げられる。この答えは本当に簡単です。上げればいいだけ。

そもそも、評価とは、客観的な何らかの基準があって、それに比べて上か下かと思っている人が多い。たとえば、ブスだったら、こういう容姿は正しいとか、ここからブスです、とか。それは完璧間違い。ひとつの基準はないんです。それは1987年に、数学では証明済み。不完全性定理っていうのね。1932年にゲーデルっていう人が発表して、1987年にこの世の知識すべてに対して、証明が終わりました。これは、簡単に言うと完全なシステムはないっていうこと。どんなシステムにも必ず、矛盾が内包される。ひとつの正しい基準は絶対にありませんということです。それが、ようやく20世紀の終わりに証明された。
だから、20世紀以前の人たちがそう思っていたらしょうがないけど、今の人たちは1987年以降の人たちがほとんどでしょ。それ以降の人たちは、この世にひとつの基準はないってとこから始まってる。ということは基準さえ存在しないということ。他人がどう思っているとかまったく関係が無い。自分がブスじゃないと思えばブスじゃない。自分がブスだと思った人はブス。