バレたら関係が壊れかねないウソはつかない…
――恋愛においてタブーだと思うことはありますか?
タブー……。難しい質問ですね。
――入れない領域というか、この瞬間にひいちゃうというような。
すごい好きな人だと、「これを乗り越えてまで行くべきなのか?」と悩むポイントはありますよね。たとえば浮気されたとか、乗り越えるべきハードルなのか悩みます。
私はそういう場合は、「相手のことを思って」だけじゃなく、「自分のためにはどうなのか」ということを基準に考えるようにしてます。
自分が傷つくことを我慢して許していると、自分がボロボロになるから。世間的にタブーかどうかじゃなくて、そういう恋愛をしてると、自分がダメになっていくし、自尊心も失われていくと思うんです。
それって結局、「自分を大切にしてくれる相手ではない」ということだから、いい恋愛でもないと思いますしね。だから、浮気とか二股とかは許さない方向で……ってずいぶん最低のラインのことを言ってますけど(笑)。
――1対1の関係において、他の人が現れた時点で「ない」って感じですか?
そうですね、こっちが真剣な分、相手にも真剣さを求めます。
――ということは、雨宮さん自体も浮気とかは全然しないってことですか?
それがね……(笑)。私、浮気はできなくないんですよ。
今まで、自分が浮気をしたこともあります。でも、する側もされる側も経験してみて思うのは、なるべくウソのない関係が理想だっていうことですね。バレたら関係が壊れかねない爆弾を抱えながら、真剣に愛情表現してても「あー、今こんなこと言ってるけど、バレた瞬間、これも全部ウソだったって思われるよな」って、自分の中でツッコミが入るような関係は、不安でしょう。
自分が「誠実に向き合ってくれる相手が欲しい」と言ってるのに、自分にそれができなかったら、求める資格ないですよね。
浮気して、それでモテてる気分になってても、バカみたいじゃないですか。複数恋愛で全員を幸せな気分にできる人もいますけど、自分にはそこまでの才能はないし。相手を本当に大事にできる人間であるほうが、ずっといいと思う。
――女性としてはそれが一番の理想ですよね。
理想が高すぎて、このままじゃやばいんじゃないかって気もするんですけどね(笑)。夢見たまま孤独に死んでいきそう……。
雨宮まみ
ライター。九州生まれサブカル育ち。守備範囲は「セックス&自意識&女のあれこれ」。
赤裸々な半生を綴った『女子をこじらせて』(ポット出版)は全国のこじらせ女子に大きな影響を与える。
現在、「女子」を語らせたら、この人! という5人を迎えての対談集『だって、女子だもん!!』(ポット出版)が絶賛発売中。
ツイッター:@mamiamamiya