ちょっぴり強引な男性に惹かれる。妄想の中では、むりやり犯されるシチュエーションや、自分をモノのように扱う男性に身を委ねる姿を想像して興奮を覚える。――そんな女性も多いのではないでしょうか。
ドラマ物AVのシナリオライターで元AV女優の神田つばきさんは、そんな“支配されたい欲求”を満たそうと離婚を機に38歳でアダルト業界に足を踏み入れ、男性にいたぶられたいという思いをストイックに突き詰めてきた女性です。今年9月には被支配欲に生きた半生を綴った自伝的小説『ゲスママ』も出版しました。そんなつばきさんだからこそ分かる「支配されることで手に入れたモノ、失ったモノ」についてお話を伺いました。
縛られたい、いたぶられたい願望は6歳の頃から抱いていた
――著書『ゲスママ』では「支配されたい」という欲望を抱えたつばきさんご自身について綴られていますね。
神田つばきさん(以下、神田):過激でしょ(笑)。でもね、“支配されたい欲求を行きつくところまで実現したらこうなりました”っていうリポートのような気持ちで書いたんですよ。だから、こういうことをした方がいいとか、これはやめた方がいいとか言うつもりは1ミリもないです。欲求を突き詰めて「黄泉の国の一歩手前で引き返してきたんだな」っていう、旅行記のような感覚で読んでいただければいいかなって思います。
――旅行記とは斬新ですね。(笑)それでは、つばきさんが「縛られたい」とか「いたぶられたい」という自身の欲求に気づいたのはいつ頃でしたか?
神田:はっきり意識したのは6歳の頃です。そのときはまだ縛られたり意地悪されたりするアニメのシーンが好きっていう程度でした。はじめて性的な想いと結びついたのは7、8歳くらいで、近所のお兄ちゃんに「縛りたい」と言われたときです。そのときは断ってしまったのですが、後々オナニーのときはいつもそのお兄ちゃんのことを考えていましたね。
夫が敵になった瞬間
――欲求だけで実現はしなかったんですね。
神田:はい。結婚すれば自分の性的な欲望は全解放できると思っていたので、結婚するまでは自分の性的な願望にフタをしていました。そして、晴れて結婚した後のある夜、主人にバンダナを渡して「縛って」って言ってみたんですよ。そしたらすごく嫌な顔をされて、引かれちゃったんです…。そのときからもう、夫は私にとって敵になりましたね。
――なんとも大胆な誘い方ですね(笑)
神田:今思えば唐突だったな、と思います。その一件から夫もあんまり求めてこなくなっちゃって。欲求不満を解消するために隠れてSM小説を読んでいるうち、私は男性に支配される陰惨な話じゃないと興奮できないんだってわかったんです。それで、別居を始めたタイミングでツーショットダイヤルを介してSMの世界に足を踏み入れました。
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