“新型ダメ男”坂上忍の「ビジネスクズ」っぷりに隠れた古い男らしさ

「商業○○」「ビジネス○○」という覚悟の背負い方

福田フクスケ タレント名鑑 コラム ビジネスクズ Nicole April

 いきなりだけど、「商業○○」「ビジネス○○」って言い方があるでしょ。
「商業非モテ」とか「ビジネス童貞」とか。

 俺、あの言い方がいやだなあって思うんです。
いやだな、あ、怖いな怖いな……って思うんです。
ま、この言い方は「ビジネス稲川淳二」ですけどね。

 というのも、ネット見てると「嫌儲」っていうんですか、
いまだになんて読むのかわからないんですけど、
で、調べる気もないんで俺は勝手に「いんもう」って読んでるんですけど、
そういうコロコロクリーナーにいっぱいくっついてくるような
ちぢれた自意識の人たちがいらっしゃって、要するに
「俺たちの味方みたいなフリして、うまいこと稼ぎやがって!」
というやっかみ方をしてくるんですね。

 そういうの、もういーじゃん! と思うわけです。

 そりゃあ「ビジネス」ですよ、キャラ立ててなんぼ、立場をはっきりさせてなんぼ、それでお金もらってるんだから。
じゃあ、重量挙げの選手のこと「ビジネス力持ち」って言う?
「ただの力持ちだと思ってたのに、それで儲けてるなんて、なんか、がっかり」
言わないでしょうよ。

 もちろん、根も葉もないのに非モテって言ってたら話は別よ。
でも、少なくとも本物のマインド持っている(持っていた)人が、その語り口を芸に昇華させてお金稼いで、結果モテたとして何が悪い。
それに、本気のむき出しのやつをそのまま見せたら、えぐすぎてみんな引くでしょ。
それをポップにパッケージして見せるの含めて「ビジネス」なんだから。

 だから、「ビジネス○○」って言い方も、むしろポジティブにとらえていこうよって話。

 で、そう考えるといわゆる「芸能界」に生息しているタレントの人たちは、まさにプライベートや人生そのものを切り売りして「ビジネス」にしているわけで。
因果な商売だなあ、と思うけど、その代償として背負っている覚悟や諦めや開き直りといった絶望の深さを思うと、生半可な気持ちじゃイジれない。

 だからこそ、今、古き良き「ダメ男」を体現した性格のキツさで再ブレイクしている坂上忍という人物を、敬意を込めて「ビジネスクズ」と呼びたい私なのです。