“偶然力”を受け入れてこそ恋!

学生時代のサークル仲間と意気投合した。
職場の同僚と飲み会でいい雰囲気になった。
幼なじみがいつしか大事な人になっていた。
人はとかく「自然な流れ」で出会うことを求めます。

そして、やさしいから、価値観が同じだから、一緒にいて安心できるから……など、
その出会いが「必然」だった理由を欲しがります。

でも、いま世の中で幸せに暮らしているカップルや夫婦の中に、「絶対にこの人でなければいけなかった必然の出会い」なんてものが、果たして本当に存在するのでしょうか。
一人の人間が一生かけて出会える、たかだか数百人、数千人の中に、運命の相手がいるなんて、どうして言えるのでしょう。

ほとんどの人は、そのときたまたま都合がよかったり、タイミングや条件のよかった相手のことを、「選ばれし人」だと思うことにしているだけではないでしょうか。

でも、そう思うことの何がいけないのでしょう。
私はそれが悪いことだとはちっとも思いません。
ふたりで偶然を必然に変えていく力のこと、それが「恋愛力」だと思うからです。

よく考えたからいい人と出会えるのでしょうか。
努力したから望み通りに結ばれるのでしょうか。
あがいたって、思い通りになんかいかないのが、恋愛の果てしなくシビアな一面です。

だったら、そもそも人生は偶発的なものだということを受け入れ、思ってもみない道に進むことを恐れないことこそが、恋愛においては必要なのではないでしょうか。

これを、私は「偶然力」と呼びたいと思います。

「偶然力」を信じて、味方につけること。
そこには、これまで以上に出会いの扉が開けているはずですよ!

Text/福田フクスケ

初出:2013.07.11