「SMがあればセックスなんていらねー」時代
Crysco Photography
昔、あれだけ好きだったというのに、いつの頃からか、あまり興味をもてなくなってしまったもののひとつに『SM』があります。
『SM』にハマっていた時のわたしといったら、前戯としてヒンズースクワット100回を命令されても濡らすことできたほどのドマゾで、「SMがあれば、セックスなんていらねー」とまで思っていたというのに、まるで憑き物が落ちたかのようにスッコーンと抜けてしまったいま現在。
まさか自分がこんなふうになるとは、ひょっとして5年後には、ベジタリアンになって「肉? 身体が必要としていないみたい。お野菜だけで大丈夫」とかほざいているかもしれない……。
「飽きた」というほどには、まだやりつくしていない感はあるし、つい先日、右手の親指と人差し指を火傷した時だって、キーボードを打つ度に「痛い、気持ちいい、痛い、気持ちい」と自虐して楽しむくらいには、肉体はMなんです。
そして、パートナーに『SM』がしたいと求められれば応えますが、かつて、切実なほどにSM行為を求めていたことを考えると、まさに嗜み程度。
この心境の変化を知るヒントは、SMを描いた小説の中に、あるのではないか……というわけで、今回ご紹介するのは、男性向け官能のみならず、ティーンズラブ小説なども多く執筆する深志美由紀さんが描く女性向けエロティック官能『ゆっくり 破って』(イーストプレイ刊)です。
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