黒髪ショート美人の恋人にヤリマン疑惑!/『女が嫌いな女が、男は好き』(前編)

女性が自分の体形コンプレックスを許せる世の中になってきたけど…

大泉りか 官能小説 黒髪ショート 女が嫌いな女が、男は好き ヤリマン ClickFlashPhotos Nicki Varkevisser

『女が嫌いな女』の条件といえば、口が軽い、暗くてネガティブ、ナルシスト、陰口ばかり言う、気が使えない、自慢話が多い、自己主張が強すぎる……等など多岐にわたってありますが、これにプラスして、なぜかその女の対男性評価が高いとなれば、その嫌われ度はさらにぐんとアップします。

 男性の前でだけ態度を変えてぶりっ子する女、女から見ると大してそうではないのに「可愛い」「オシャレ」と男性たちが褒め称える女。
ただでさえ嫌なその女が、過大評価され、モテることに腹が立つ。

 男性は、基本的に自分のことを好いて可愛い態度で接してくれる女性のことは、なかなか嫌いにならないものですし、ちょっとくらいダサくてわかりやすい服装(チェックのミニスカートにニーハイとか……)を『オシャレで可愛い』と思うもの。
もちろん、わたしたちだってそんなことくらいはわかっている。
しかし、自分の美意識やプライドや自信のなさが邪魔をして、そうのうのうとは『ぶりっ子』が出来ない……にも関わらず、なんのてらいもなく、出来る女に嫉妬してしまう。
そう、女の嫌いな女、とは、女がやっかむ女のことでもあるのです。

 というわけで今回ご紹介するのは草凪優著『女が嫌いな女が、男は好き』(祥伝社文庫)です。

 本作の主人公は本山健一、二十九歳。
江戸時代から続く老舗の材木問屋の跡取り息子。
今は営業部の一員として修行中の身だが、将来は百人を超える社員を抱える本山材木店の社長となる身分。
そんな健一の恋人は、同社の事務員である藤崎満里奈、二十六歳。
黒髪ショートカットに、猫のような大きな眼をした童顔の満里奈のことが、好きで好きで仕方ない健一ですが、しかし、この恋人はやっかいな問題を抱えていました。