とんでも男に負い目を感じると厄介
話を戻しましょう。「私は、ウエストポーチ着用でシャツがインでくるぶしが見えている男性とはセックスできません」と言って追い返したいのはやまやまだったのですが、そうできない事情が筆者にはありました。
何故ならウエストポーチ氏は、はるばる関西から筆者に会うためだけに東京にやってきたのです。
都内在住男性なら、「私は、ウエストポーチ着用でシャツがインでくるぶしが見えている男性とはセックスできません」と言って追い返していたのですが、新幹線代を使わせてしまった負い目が筆者にはあります。覚悟を決め、セックスするしかありません。なんたる悲劇! いや、喜劇か(笑)。
ホテルに直行するのも情緒がないので、ファミレスに立ち寄ることになりました。
「嗚呼、このクリームチーズケーキを食べ終わったら、ウエストポーチ着用でシャツがインでくるぶしが見えている男性とセックスしなければならないのか……」
そう思うと、おのずとフォークが進みません。少しでも時間稼ぎしようとドリンクバーを汲みに行ったところ、奇跡が起きました。見ず知らずの若者にナンパして頂いたのです!
とりたててイケメンというわけではなかったのですが、ウエストポーチも着用していませんしシャツもアウトですしくるぶしも見えません。セックスの神様は、筆者をお見捨てにはならなかったようです。
しかし……筆者には関西からの新幹線代を使わせてしまった負い目があります。
ナンパは丁重にお断りし、意を決してホテルに向かったのでした。
ウエストポーチ氏とのセックスですが……な、な、な、なんと!
ウエストポーチ氏が勃たなかったのです。なんでも、女体に触れるのが数年ぶりとのことで、緊張してしまったとのことでした。
こうして、なんとか貞操を守ることができた筆者。インターネットのSNS等でバーチャル恋愛をしている女性の皆さん! 「交通費をかけさせている」と負い目を感じてしまうような男性は、極力避けたほうが無難でしょう。
筆者は幸い、相手男性が勃起しませんでしたが、ギンギンの場合もあるはずです。ウエストポーチの中に、ムチやらローソクを忍ばせている危険性もあるでしょう。
ネット経由の出会いが珍しくない時代ではありますが、直デートの際はくれぐれもご用心を。
Text/菊池美佳子
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